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『ちむどんどん』に毎朝ツッコミたくなる2大理由。ヒロインの厚かましさだけじゃない

暢子の天真爛漫さを、厚かましいと感じてしまう

 暢子の素直さを描きたいのかも知れませんが、成長過程がないと視聴者はその素直さに共感できないのではないでしょうか。その結果、暢子の明るく天真爛漫(てんしんらんまん)な振る舞いまでも、厚顔無恥(こうがんむち)に感じてしまう。残念でなりません。
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 もちろん、ヒロインが完璧ないい子である必要は全くないと思います。これまでの朝ドラヒロイン『まれ』の土屋太鳳や『半分、青い。』の永野芽郁も比較的“天真爛漫系”で、少しワガママに感じる部分はありました。  ただ、人として、心でも技術でもいい…成長を感じさせて欲しいのです。暢子が料理の腕が上がっていくさまを、食べてくれる人のことを思いやる心を。それは「幼少期から家族のご飯を作っていたから(このシーンがそもそも少な過ぎる…)」とか、「オーナーに教えてもらったから」ではなく、自分の力で問題に向き合い、試行錯誤する努力の過程があってはじめて視聴者の心に届くのだと思いました。

人と人が心を通わせ、絆が生まれる過程はどこに

 本作が違和感を抱かれる理由の2つ目は、「絆が生まれる、心の交流が感じられない」ことです。  公式ホームページの番組紹介には、<遠く離れ、会えなくても、心はつながって支えあう美しい家族と、ふるさとの物語><傷つきながら、励まし合いながら大人への階段をのぼっていく四兄妹のドラマ>と書かれています。しかし今のところ、4人の心をつないでいる糸が見えずにいるのは、筆者だけでしょうか。
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 まだ幼い頃に大好きな父・賢三(大森南朋)を亡くしたこと、残された借金により貧しい暮らしを余儀なくされたこと。このふたつだけでも充分兄妹の絆が深まることは、もちろん推察できるのですが、その過程が感じ取れなかったのです。  前述した暢子の成長過程と同様に、その苦難を兄妹で乗り越えて成長した過程の描き方が不足しているように感じました。  すべてが母親・優子(仲間由紀恵)の優しさと甘さによって許されてきただけで、四人が協力して何かを成し遂げたり助け合ったりしている描写が少な過ぎる。それどころか兄・賢秀の言動からは絆が深まるどころか、縁を切りたくなる勢いです。
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つい『カムカム』『モネ』と同じ期待をしてしまう
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