7月に放送された第15週では、母・優子が初めて子どもたちの前で戦争での体験を振り返り、「亡くなった人たちの分まで、あなたたちには幸せになって欲しい」という想いを4人に伝えました。
これで優子が子どもたちに激甘な理由には納得しましたが、しかしこのエピソードはもっと前に子どもたちに伝えておくべき内容のように思います。そうすれば、4人が母親の想いを受けて、やり方は不器用でも自分たちの幸せのために邁進していくという姿勢に、もっと共感できたのではないでしょうか。

『連続テレビ小説 ちむどんどん Part2 (2) (NHKドラマ・ガイド) ムック』 (NHK出版)
想いを、心を、伝え合って絆を深めていく。その過程を観たいと思ってしまうのは、前作『カムカムエヴリバディ』、前々作『おかえりモネ』の影響もあるかもしれません。
『カムカムエヴリバディ』は三世代100年の物語で、『おかえりモネ』は震災後の10年間(物語開始からは実質8年間)の物語と、期間は全く違いますが、どちらもヒロインが大切な人の想いを受け継ぎ、周囲と心を通わせて、成長していく様が丁寧に描かれていました。この2作品は特に印象的だったので、本作にもその様を期待してしまうのかも知れません。
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ここから、もっと家族の絆が深まっていくのか…4人の兄弟がどんどん成長していくのか?!
ぜひ、心を通わせて成長する様を見せて欲しい!
最終回の9月30日(金)まで残り2カ月弱……。反省会タグの盛り上がりだけではない、本当の “ちむどんどん”を視聴者に届けて欲しいと願わずにはいられません。
<文/鈴木まこと(tricle.llc)>
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日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:
@makoto12130201