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赤ちゃんの遺棄事件はなぜ続く?「ひどい母親」と言う前に想像してみてほしいこと

「助けを求めていい」と子どもたちに伝えよう

AdobeStock_337452309 佐藤さんは、社会保障や福祉の分野で、よく用いられる「自助・公助・共助」という言葉の「自助」が機能しない現実があると指摘します。 「彼女たちは、『自助』(自発的に自身の生活課題を解決する力)を求められても、社会的に追い詰められ、自分ではどうにもできない状況にいます。正しい情報が届きにくく、どんどん孤立していってしまうのです」  こういった問題を減らすために、日本の社会に求めることは「制度や教育の是正」だといいます。 「経済的理由で妊婦健診を受けたくても受けられず出産を諦めている女性たちが、安心して妊娠し出産を迎えられるように、妊婦健診と出産費用が無料化になることを切に願います。それが日本が抱える少子高齢化、人口減少に歯止めをかける効果的な施策につながると考えます。  また、正しい知識を学べるように、幼児教育から義務教育終了までの教育課程で『命の教育であり互いの人権を守り合う教育でもある包括的性教育』を実施することを求めます」  最後に、私たちひとりひとりにできること、意識すべきことは何か聞きました。 「私たち大人が日々の中でできることは、『一人ひとりに“イヤ”という権利があり、尊重されること』と『困ったときは助けを求めていいこと』を子どもたちに伝えること。そして、心配な子ども、心配な親子に気づいたら『何かお手伝いできることはありますか?』と声をかけることです。  子どもたちに『違いを認め合いながら、互いに手を差し伸べあうことが当たり前の社会』を伝え、残していくことからはじめませんか」 <取材・文/鴨居理子>
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