――他には、どういったケースの相談が多いですか?

「男女関係絡みで最も多いのは不貞慰謝料(不倫に対する慰謝料)の相談ですね。私の場合、もともとオンラインや電話での相談を受けることが多いですが、コロナ禍になってからは、SNSやマッチングアプリなどのオンラインの出会いの場でのトラブルも増えているようです。実際私のところにも、SNSで知り合った方や、マッチングアプリで知り合った方との不倫トラブルの相談がきています」
――どのようなものが不貞の証拠になるのでしょうか?
「不貞の証拠として訴訟に出てくるものとしては、探偵による調査報告書、LINEのやりとりや、ラブホテル等に出入りする写真が多いと感じます。探偵による調査報告書は決定的な証拠となることが多いですが、調査費用は高額です(200万円を超えるケースも少なくありません)。ここで覚えておいていただきたいことは、調査費用は、損害として認定されないことが多いということです。探偵をつける際は基本的に不貞相手に請求することはできないと考えておく方が良いでしょう」
弁護士さんからしっかりとした回答をいただいたので、香奈さんには支払う必要がないということを伝えて毅然と断っていただきました。弁護士さんに相談していることを伝えると隆史さんからは「今回は大丈夫です」と即答があったそうです。
マッチングアプリでの出会いは、以前に比べ安全になったとはいえ身元が保証されていない人との出会いです。そのため最終的には自分のことは自分で守るしかありません。もし少しでもおかしいと思うようなことがあれば、私たちのようなアドバイザーや弁護士さんに相談することをお勧めします。
<取材・文/田中亜依>