“大阪のオバチャン”はアメリカでもめちゃパワフル!現地ツアーガイドが語る
バスの中で始まる怒涛の攻め
お客様が無事に乗り込んでバスが出発すると、添乗員さんがスケジュールと旅の諸注意を話してから、私たちガイドにマイクが渡されます。
「皆さま、ようこそいらっしゃいました。長旅お疲れ様でした。機内ではゆっくりされましたでしょうか?」と歓迎の挨拶をします。ここで曖昧にうなずくくらいなのが関東などからのお客様。でも「大阪のオバチャン」は違います。
「えらいゆっくりさせてもらいました。せやけどガイドさん、こっち来て何年くらいなりますの?」
大阪のオバチャン軍団はすかさず質問を返してきます。
「もう○年になります」
「うわっ、○年もおるんかいな~」
「ほんなら英語もペラペラやな」
「結婚してるん?」
「相手アメリカ人?」
いきなりプライベートに踏み込んでくるのが大阪のオバチャン軍団です。
「子供はおるん?」
「ほんならハーフやんか。将来はモデルやなぁ」
「モデルってはどれくらい儲かるんやろ?」
「日本語できるんなら吉本でもええんちゃう」
「せや、吉本いれたらええ」
バスの中は一気に大阪の空気となり、井戸端会議状態でてんやわんや……。
まあ、バスの中はいいのです。移動中はあまりやることないですから(とはいえ折角の海外なので「車窓からの景色」も楽しんでいただきたいですが。笑)。
でももしこれが到着ロビーで勃発したら? 現地ツアーガイドを中心に、ワイドショーなどでよく見る芸能レポーターによる「囲み取材」状態。その間移動もできないので、いきなりツアーが滞ってしまいます。先ほど言った、“えらいこと”になってまうわけです。あかん、気がつけばウチも大阪弁になってもーた。(苦笑)
でも子供の将来まで心配してくれ、最後に飴ちゃんを握らせて「頑張りや」。そんな人情溢れる「大阪のオバチャン」にパワーをもらっている私です!
※ちなみに“ハーフ”は半分の意味で、あまり好意的な言葉ではありませんので、使用には注意しましょう。
<文/メイリン> 1
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