Lifestyle

都会出身が移住して受けた“田舎の洗礼”、おばあさんの優しさに涙した

気づけば食べきれない量の食材

 それから、お婆さんは次の日もまた次の日も野菜やお菓子、時にはお酒などを持ってきてくれるようになったそうです。お婆さんは来るたびに世間話をし、前日の料理は何を作ったかを聞き満足して帰っていったのだといいます。 気づけば食べきれない量の食材「私独りでそんなに多くの食材を消費するのは無理だったんです。最初はありがたく思っていたんですけど、お婆さんに会うのがだんだん億劫になってきてしまっていて……」  千秋さんは次第に困惑する様になってしまったのだそうです。一時は居留守を使うことも考えたそうですが、毎日重い箱を運んでくれるお婆さんのことを思うと千秋さんにはできませんでした。  早くも田舎の洗礼を受ける千秋さんでした。

お婆さんに正直な気持ちを伝える

 ある日、いつものやって来たお婆さんに「実はいつも頂く食材が多すぎて、食べきれなくて困っている」と正直に、丁寧に伝えた千秋さん。  するとお婆さんは一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐに状況を理解して謝ってくれたそうです。 お婆さんに正直な気持ちを伝える「なんでも私と年恰好の似た孫がいて、つい心配でたくさん届けてしまっていたと言っていました。私も少し単刀直入に言い過ぎたかなと、少し反省してたんです」  すると、お婆さんは日が沈んだ頃もう一度やってきて「これからは食べる分だけ持ってこようかね。今日はお月さんも綺麗だね。おやすみね、千秋さん」  と言って、また帰っていったお婆さん。千秋さんは、お婆さんの温かみのある気遣いに、お婆さんが帰った後の縁側で夜空に輝く月を見ながら目頭が熱くなったそう。
次のページ 
その後のご近所付き合いは?
1
2
3
4
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ