街を歩いていても、いい年の大人の女性でロングブーツを履いているのは少数派です。確かにロングブーツには、値段が高い、脱ぎ履きが面倒、大きくて置き場所に困るといった欠点があります。しかし脚の形を気にせずミニ丈のボトムをはける、そして何より冬の寒い時期、脚がとても暖かいという利点があります。

イタリアのシューズブランド『PELLICO』のロングブーツ
こちらの写真のロングブーツは裏がボアで、かつニーハイタイプ。膝の上まで脚を覆います。そのため暖かさもひとしおです。
この暖かさ、その快適さを知ってしまったら、もうやめられません。年齢に関係なく真冬には脚が冷えるようで、この前までシェアハウスをしていた、そのときは20代だったカオリさんも、私に影響されてロングブーツを履くようになり、「もうロングブーツなしでは冬は過ごせない」とまで言っていました。

子どものころの憧れの彼女たちはロングブーツが定番だった
さて、この文章を書くに当たって、私はなぜこんなにもロングブーツを履きたいと思っていたのだろうかと改めて考えてみました。
思い当たるのは、小さいころテレビでよく見ていたピンクレディーやキャンディーズ。歌って踊る彼女たちのステージ衣装は、ミニスカートやホットパンツにロングブーツが定番でした。意識してはいなかったけれども、私は子供のころからひそかにあのスタイル、あるいは活躍する彼女たちに憧れていたのかもしれません。

ピンク・レディー/『バイ・バイ・カーニバル』のCDジャケット
(※画像:Amazonより)
子供のころの憧れが実現するのはいいものです。自分がずっと欲しいと思っていた、自分の足にピッタリ合う靴を自分で買って、それを履いて自分が行きたいと思っていた憧れの場所へ行く。そうやってできた思い出は、いつまでも思い出の玉手箱の中で輝いて、この肉体と別れるときにきっと思い出すでしょう。

パンプスを履いて歩くことはできませんでした。けれども、私にはブーツやらサンダルやらスニーカーがあるので全く困っていません。今までもそれで歩いてきたし、これからもこれらを履いて、どこへでも行く所存です。
◆ロングブーツ(筆者私物):PELLICO
<文/小林直子>
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