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『極悪女王』再び撮影中止…ゆりやんの過酷撮影で考える「現場の無茶ぶり」

 2023年にNetflixでの配信が予定されている、女子プロレスラー・ダンプ松本の半生を描いたドラマ『極悪女王』。今年10月には、撮影中に頭や背中を強打したゆりやんレトリィバァが緊急入院し、撮影が一時ストップした。
 ゆりやんは撮影中、頭から落ちる技の受け身を100回以上繰り返すなどしていたといい、アスリートではないゆりやんに無茶苦茶な要求を課す撮影現場に問題があったものと推測されている。加えて、ダンプ松本役ということもあり、ゆりやんは65キロだった体重を93キロまで増量して撮影に臨んでおり、撮影前からゆりやんの健康を鑑みない要求がまかり通っていた可能性も高い。  その後ゆりやんは回復したものの、今度は別の問題により現場から“お蔵入り”の声も出始めていると、12日21日に日刊ゲンダイDIGITALが報じた。一体何が起こっているのだろうか。

再び撮影中止になってしまった理由

 ゆりやんは10月31日に自身のTwitterで「予定よりメチャクチャ早く退院できました」「診断の結果、脳みそに損傷は全くなくて元気です」と報告している。ただ、「今回はたまたま無傷だった」と言っても大袈裟ではないのではないだろうか。今回の一件で撮影現場は出演者の健康チェックをより厳しくしたとは思うが、そこへ来て次なる“問題”が発生したようだ。  日刊ゲンダイDIGITALの記事によると、今度は白石和彌監督のスケジュールの都合で再び撮影中止となり、撮影再開は来年5月の予定だという。本作は、年内にクランクアップが予定されていた。  ゆりやんに加え、出演女優の剛力彩芽(ライオネス飛鳥役)や唐田えりか(長与千種役)も、本作の撮影のために10キロ超の増量をしている。撮影をストップしている間の彼女たちの体重管理や健康管理はどうなるのか。痩せることもできない状況のままでは他の仕事にも当然支障をきたすと、同記事内で大手芸能プロダクション幹部は語った。

ハラスメント調査では、6割が「無茶ぶり」を体験していると回答

 テレビ番組を見ていると「昔の撮影現場はめちゃくちゃだった」「今だったら絶対アウト」と口にする芸能人は多い。裏を返すと、今の撮影現場は大分クリーンになったと言いたいのかもしれない。しかし本当にそうだろうか。
映画館

※画像はイメージです

 日本芸能従事者協会が今年実施した「芸能・芸術・メディア業界のハラスメント実態調査アンケート2022」という調査がある。役者やデザイナー、映像スタッフなど、芸能や芸術に従事する418人を対象に実施したものだ。  この調査によると、「過大な要求[不要/遂行不可能なことの強制]」を体験したり、見聞きしたと回答した人は55.9%と半数以上。「精神的な攻撃 [脅迫/名誉棄損/侮辱/酷い暴言]」に至っては83%だった。  誰からのハラスメントだったか聞くと、「監督・演出家・スタッフ」(59%)が最多。さらには具体的なハラスメントの内容について、「脱ぐ演出を強要された」「芸術監督、演出家、振付家からのパワーハラスメント。過大な要求」といったコメントが寄せられた。
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その“役者魂”は本当に素晴らしい?
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