
※イメージです(以下、同じ)
またこのほかにも、この女性インフルエンサーはInstagramストーリー上で、飛行機内で撮影された写真と「国内線は36週まではOKと医師の許可を得ています」とのコメントを投稿し物議をかもしていました。
妊娠36週の時点で飛行機へ搭乗することについて、重見氏は次のように指摘します。
「これは、多くの産婦人科医が懸念を示す行為のように感じます。妊娠中に飛行機に乗ることで、流産・早産しやすくなる、また赤ちゃんに影響をもたらすようなリスクはほぼ無いことは、医学的に分かっています。
しかし万が一、妊婦さんの健康状態に異変が起きたとき、飛行機の中ではすぐに対処できないリスクがあります。また通常、出産予定日は妊娠40週となりますが、正常な分娩は37週から始まります。よって妊娠36週の方ですと、いつ陣痛が来てもおかしくない状況にあると考えられ、機内出産などのリスクは高まります」
近年ではインフルエンサーによって、医学的エビデンスの乏しい情報が拡散されてしまう事例が目立っています。遠隔健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」代表を務める重見氏によれば、インフルエンサーによる健康情報の真偽について、医師に確認する利用者も少なくないのだそう。
「利用者から『◯◯という情報を聞きましたが、それって本当ですか?』と聞かれたときに、インフルエンサーの投稿が頭に浮かぶようなケースが非常に増えてきました。そういった疑問を抱いた際は、主治医をはじめ私たち医師にまず事実確認をしてもらいたいです」
また同時に、「インフルエンサーの影響力を実感している」という重見氏。
「インフルエンサーの方々が持つ影響力が大きくなっているぶん、健康に関する情報発信に関してはいい影響もあれば、残念ながら悪い例もあります。私たち医師が情報発信するよりも、はるかに多くの人へ正しい情報を行き渡らせることもできますが、逆もあります。特に、専門家ではない人が“いち個人”としての思いや事例を発信することの危うさも感じますね」