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4畳の屋根裏に住む70歳パリマダム。その優雅なおもてなしを中村江里子がリポート

床に置いた一口コンロ、ピンヒールでしゃがんで…

水場やトイレはフロア共有で、部屋にはキッチンはありません。コンロや流し台といったもの自体ないのです。部屋の風通しのよい窓辺が野菜置き場であり、調理台でもある。その部屋でナタリーさんは、床に直接一口コンロを一つ置いて、魔法のようにおいしい料理を次々と仕上げていきます。
Saison d' Eriko2

ベーコンをじっくり炒めるナタリーさん。奥のオーブンからはポークが焼けるおいしそうな香りが……

食卓の後ろには段ボールを利用した臨時のサイドテーブルが。友人のアーティストの作品を飾って洒落たコーナーになっています。 そんなナタリーさんと中村さんの出会いは、偶然のたまものだったとか。中村さんに話を聞きました。

中村江里子さんとナタリーさんの出会いは

──ナタリーさんとの出会いは偶然だったとか? 「はい。私がナンパしたんです!(笑)」(中村さん、以下同) ──えっ? ナンパですか? 「以前も少しお話ししましたが、もともとは、夫(バルトさん)がパリで大評判になっていたナタリーさんの著書を『あなたも読むといいよ』と渡してくれたんです。すっかり魅了されて、日本の『セゾン・ド・エリコ』の読者の方にも紹介したい! と思っていました。 ある日、マルシェでナタリーさんのお姿を拝見して、なんと素敵なタイミングって(笑)。『ナタリーさん!』と思わず、お声がけしていました」 ──『セゾン・ド・エリコ』内の「コンロ1つ、オーブン1台でつくるエレガントな食卓」というキャッチが気になります。 「ナタリーさん、近々お引越しをなさるということで、その前にぜひまたいらっしゃい、とお招きをいただきました。それで、ナタリーさんのお好きな赤ワインを持って、準備もお手伝いをするつもりで出掛けました。 お引越しの準備で、部屋の前の廊下にはすでに段ボールが所狭しと並んでいて、その奥にオーブン、そばに一口コンロが一つ。真っ赤なワンピースにオレンジのバックストラップのピンヒール姿のナタリーさんは、白いエプロンの紐をキュッと結んで、真っ白な大判の布巾をひょいと肩にかけてテキパキと動く姿が圧巻(笑)」
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その日に並んだ魔法の料理とは?
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