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4畳の屋根裏に住む70歳パリマダム。その優雅なおもてなしを中村江里子がリポート

調理台は段ボール!

「調理台はといえば、段ボールを利用して、センス良くナタリーさん流に楽し気に調えたものです。床に膝をついてコンロの火加減を見ていたかと思うと、すぐに立ち上がって、オーブンに入れたお肉の焼け具合を確認したり……。とにかく手際がいい。 加えて頭が超高速で回転していらして、次から次へと辛口なコメントやウイットに富んだ言葉が出てくる。そのお話がまたとっても楽しくて。テキパキ、チャキチャキの素敵なマダムなんです! お手伝いするつもりでうかがったのに、ナタリーさんの言葉と動きにすっかり圧倒されていました。」
Saison d' Eriko3

サラダを味見。「本当のことを言わなきゃダメよ。嘘を言うと、鼻が曲がってしまうわよ」ナタリーさんの言葉に、江里子さん、この後大笑い

絶妙なサラダとローストポークが並んで

──屋根裏部屋で、しかもお引越し前となると、普通に考えると、人を招くなんて、躊躇しますよね? 「そうですよね。でも、フランスには自宅にお招きして、自分にできることで人をもてなすのが最上のおもてなし、という風潮があります。ナタリーさんはさらにその上を行く懐の深さ! 正直、この限られたスペース、最小限の調理器具でどうやってお料理をするのだろう? と思っていたのですが、あっという間に、レンズ豆とカリカリベーコンがアクセントのサラダの前菜に、ローストポークのじゃがいも添えのメインが並びました。これは前日から仕込んでいたブイヨンとバターをたっぷり使った、焼き加減が絶妙のものでしたね。 そしてデザートに、桃の赤ワイン煮とパイナップルのキルシュ風味。どのお料理も本当においしくて……」
Saison d' Eriko5

訪問を羨ましがっていたバルトさん(江里子さんの夫)も仕事の前に飛び入り参加

「このとき教えていただいて以来、家族に人気のわが家の定番になったものもあるんですよ。しかもナタリーさん、たっぷりとお料理を用意してくださっていて、帰りには、『エリコ、今日はラクできるわよ~』って、持たせてくださいました。子どもたちも大喜びで、本当にラクをさせていただいちゃいました(笑)」
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ナタリーさんの驚きの経歴とは
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