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ドラマ『silent』はスマホの使い方が神、“消す”ことで視聴者だけ分かる本音って

「消す」ことで視聴者だけに伝える気持ち

 第1話で、紬から想を見かけたと聞いた湊斗(鈴鹿央士)が、スマホで「佐倉想」と検索をかける。それ以前に並んでいるのは不動産屋や居酒屋検索といった履歴だ。そして「佐倉想」の履歴を削除する。今、想がどこにいるのか知りたい、何をしているのか知りたいという気持ちを紬に知らせずに「消す」。ほどなく紬も「佐倉想」と検索し、同様に削除した。同じく第1話では、高校時代の想と湊斗のサッカー部顧問だった古賀先生(山崎樹範)が、言葉とは裏腹に、今も想と連絡を取り合っていることを、LINEの画面を映すことだけで伝えた。 「消す」ことで視聴者だけに伝える気持ち 第2話では紬と想が再会。想の耳が聞こえていないと知り、また自分を拒んだことにショックを受ける紬に、湊斗がスマホで「パンダ、スペース、落ちる」と癒し動画を検索して自分が駆けつけるまで待つように伝える。湊斗の優しさと、紬への思いが伝わってくる(第3話で見せた紬と湊斗の再会当時の場面では、パソコンで「犬と猫、スペース、仲良し」と癒し動画を検索)。

スマホでもすれ違いや切なさを演出

 第3話では湊斗から親友・想への思いが爆発し、続く第4話で、紬の家で想とふたりきりになった湊斗が、「UDトーク」を介して話をした。久しぶりの再会に思いを止められない湊斗は、「UDトーク」が音を拾いきれないキッチンでも話を続けてしまう。想には、マイクの反応から湊斗が話し続けていることだけが分かり、何を言っているのかは分からない。  紬と湊斗が別れを決めたあとの、第5話での紬と湊斗のスマホを介した会話シーンもとても印象的だった。それぞれの家から、スマホで会話するふたり。映像は手のふさがっていた紬がスピーカーにして話す姿を映し続け、湊斗が泣いていたことを最後に見せた。また「顔見たら泣いてた」「なんで泣くの?」と交わしながら、スマホ越しにふたりとも泣いている(それも互いに気づいている)という演出も非常に切なかった。
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 第6話のラスト、奈々(夏帆)の姿に涙
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