Lifestyle
Human

「800万円をドブに捨ててしまった…」ハワイの“アロマスクール”にハマった女性の後悔

―連載「沼の話を聞いてみた」― 昭和の時代に「憧れの楽園」から「海外旅行の定番スポット」へと進化し、昨今はエコツーリズムやロコライフ路線で観光需要を満たしつづける南の島、ハワイ。芸能人やモデルが自然とつながりながら優雅にすごす土地、といったようなブランドイメージもいまだ根強いだろう。 今回は、そんな「ハワイ」をウリにしたヒーリング系スクールへ総額約800万円を支払い、「大金をドブに捨ててしまった」と後悔している女性Oさんの沼物語を聞いていく。
ハワイアロマ202301-1a

※写真はイメージです(以下同)

そのスクールのHPを見ると、こんな志が語られている。ハワイの大自然の恵みを生かし、より多くの人を自然と調和させるのが使命だと。植物療法を中心に行われる各種レッスンは、個人で気軽に楽しむためのものから、スクールの認定講師としてアロマ教室を開くことができるフランチャイズを目指すものまでと、間口が広く用意されている。Oさんがそのスクールにアクセスしたきっかけは「日本では学べない特別なもの」を求めたことだった。

キャリアに行き詰まりを感じたときに

「仕事や人間関係でストレスがふくれ上がり、私の人生これでいいのだろうか……と自分に問いかける日々でした。そうして出した結論が、会社勤めの傍らで趣味として長年楽しんでいた植物療法のアロマテラピーを、仕事にすること。自分のペースでできるような仕事がしたいと、いろいろなアロマ関係のスクールを検討しはじめました」 日本のアロマテラピースクールといえば、有名どころでは日本アロマ環境協会(AEAJ)の認定校が挙げられる。アロマショップとして広く知られる「生活の木」のアロマスクールも、この協会を母体とする認定校だ。アロマテラピーは民間資格なので、どこかの協会に所属するような肩書はなくても、無資格で活動したりスクールを開いたりといったことはできる。しかしアロマ(精油)は使い方によっては健康を害する危険な性質を持つものも少なくないので、こうした信頼できる団体によって専門知識や技術を担保されているほうが、安心だと考える人は多いだろう。

「ハワイ」の魅力で差別化を

ところが多くの同業者が持つ定番の資格より、何か特色が欲しかったOさん。そこで見つけたのが、ハワイのヒーリング系スクール「マナ・リラクゼーション」(仮名)だ。 ハワイアロマ202301-1b「ハワイのハーブを学ぶというめずらしいレッスンがあるうえ、そのスクールの認定講師制度やフランチャイズがあるし、卒業後の進路相談も手厚そうだったのが決め手です。スクールを運営しているハワイ在住のX先生は、いかにも成功者! といった空気を放つ女性。そのX先生がこんなことを言っていました。日本の女性たちはみんな、抑圧されて疲れている。地に足をつけて生きていない。豊かに自由に生きるためのツールがハワイの自然だ。ハワイのマナ(パワー)を吸収した特別なハーブが、それを叶えてくれる、と。ハワイの美しい大自然と触れ合いながら、物質的にも精神的にも豊かな生活を送っているように見えた女性の語るそれは、納得してしまうものがありました」
次のページ 
ハワイブランドを振りまく側、惹かれる側
1
2
3
Cxense Recommend widget
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
あなたにおすすめ