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「800万円をドブに捨ててしまった…」ハワイの“アロマスクール”にハマった女性の後悔

・「ここは資料を読めばわかる」などの省略がつづき、約1週間に詰め込まれていたはずのレッスン予定が、実質3〜4日しか行われず、雑談や契約の話に費やされる(ほかの生徒も似たり寄ったり) ・そこにいないメンバーや受講生を面白おかしくネタにしたり、批判したり、悪口が展開されたりする(太っている、しつこくて嫌、ダサい、頭おかしい、細かすぎ……等) ・全カリキュラムを終了したことが証明される修了証が、スケジュールの前半で「先に渡しておく」とカジュアルに発行される ・レッスンで配布されるテキストに、化学式や植物の学術名など明らかな間違いが確認されるが、指摘してもスルーされたり「アメリカではこれが正しい! 日本のアロマが間違っている」と激怒される ・一般的にアロマセラピストとして活動するにはケーススタディ(事例研究)の習得が必要とされるが、このスクールでは出さなくても修了証がもらえる人もいた。修了に必要とされる論文の提出をしなくても修了証が発行される場合もある ・同じ金額を支払っていても、X先生の機嫌や好き嫌いで、提供するレッスン内容や待遇が変わる ・カリキュラムを終了していない時点から、一刻も早い集客を求められる。「早く集客してレッスンをしていけば、おのずとスキルが身につく」という主張

稚拙な授業、号泣する仲間

「これらの結果、間違った知識や中途半端なスキルのセラピストたちが、生徒を持ってレッスンを行なっているのが実情です。もともとこのスクールは、アメリカの権威あるアロマ団体の認定校でした。ところがずさんな指導やレッスン時間の短縮がバレそうになったからでしょうか。X先生独自の協会を立ち上げ、さらに手軽な指導を行うようになったようです。私が受けたレッスンの感想は、とにかく中身がない。期待していたハワイのハーブも入門書を読めばわかるレベルのことで、別のネイティブなハワイアンから教わった内容とは比べものにならないほど稚拙でした」 ハワイアロマ202301-1eハワイのスクールということは、契約等はすべてアメリカの法律に則るものだ。当然日本とはルールが異なり、クーリングオフが適用される期間は非常に短い。また、トラブルがあって裁判となっても、基本すべてアメリカで行われるのでハードルの高さは尋常ではないだろう。Oさんも、日数の問題で解約できなかった。同じく認定講師の契約をしたメンバーは、Oさんの前でうかつな契約を嘆き「やってしまった」と号泣していたという。

それでもハワイブランドは強かった

しかしこのような運営では悪評が広がり、生徒が集まらなくなるのでは? ところが、そうさせないのがX先生の用意周到なところ。そしてハワイブランドとリゾートマジックだと、Oさんはつづける。 「内部の人間関係は、信者ビジネスで成り立っているビジネススピリチュアル界隈のそれとそっくり。自然豊かなハワイの神秘的なイメージを利用して、ビジュアル重視の人たちを集客。そして忠誠心を競い合わせるようけしかけられ、表向き仲よく接していても裏ではメンバー同士が足を引っ張り合うので泥沼化する人たちも。ところが現地在住の芸能人がそのスクールを雑誌などで素敵に紹介したりするので、客足はそれなりに途絶えないようです」 ハワイアロマ202301-1f数々の疑問を抱えながらも、結局Oさんは日本へ戻り、スクールの認定講師としての活動を始めた。レッスンで使う材料はスクールから仕入れる契約となっており、そこでさらに数百万円資金をつぎ込むことになったという。 後編では、そこに至るお話をさらに詳しく聞いていこう。 【続きはこちら】⇒「800万円の借金返済に追われる日々」起業を夢見た女性が自己破産寸前になったワケ <文/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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