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発達障害の人はみんな天才?ドラマ『リエゾン』にみる“発達障害の描き方”の難しさ

研修医が「叱らないであげてください!」とエキサイト

 また、落ち着きがなく、衝動的に動き回ってしまうADHDの少女・未依(佐藤恋和)にもスポットライトが当たる。  未依はクリニックから突然一人で外に出てしまい、危うく車と衝突しかける。念のため、病院に行くことになり、志保が母親の沙知子(朝倉あき)につきそうことに。検査した結果、特に怪我などなかったことを知って安堵する志保。  すると、沙知子は「すいません、こんなところまで付き添ってもらって」と謝罪。続けて、「何度『すいません』って言えばすむんでしょうね」「いつもみなさんにご迷惑かけて、謝ってばっかりなんです」と子育ての苦しみを吐き出す。
 そんな中、またまた急に未依は病院内で急に走り出して転倒。大泣きする未依に沙知子は「どうしてあなたはいつもそうなの!?」「いつも言ってるよね!? 勝手に飛び出しちゃダメって、どうしてわからないの!?」と激昂する。  このシーンで研修医の志保は、「叱らないであげてください!」とこちらもエキサイト。そして、泣きじゃくる未依を抱きしめて「未依ちゃんが悪いわけじゃない」「未依ちゃんはいい子だから」と慰める。その様子を沙知子は目を潤ませながら黙って見守るのみ。沙知子の心中を察するに「“いい子”を叱っている自分はなんて酷いのだろう」と自己嫌悪しているように感じた。

親に対しても「大丈夫」と言ってほしい

 もちろん、子どもは最優先にされるべきである。しかし、育児それ自体がハードワークであり、さらには子どもが発達障害児であればその過酷さは計り知れない。このシーンでは親自身も限界にきている状況であり、「親が悪いわけじゃない」という言葉もかけてほしいと感じた。  ちなみにその後、沙知子はクリニックを訪れ、「私いつも未依を叱ってばっかりで……」と反省を口にして、未依のパートは“いい感じ”で終わる。自己嫌悪から反省、という自分を責めっぱなしの沙知子だっただけに、卓や志保には親側への寄り添いも見せてほしかった。 =======  発達障害というテーマを扱っている以上、全ての人が納得できる展開、結末を描くことは難しく、どうしてもモヤっとしてしまう部分は出てしまう。それだけ難しいテーマだけに、どのように見せてくれるのか期待したくもなる。 <文/高萩陽平>
高萩陽平
恋愛系のメディアで多数執筆。10年前からmixiやスカイプちゃんねるなどでネットナンパに没頭。数年前からマッチングアプリに参戦して結果を出し続けている。元アイドル、100キロ越えのふくよかさんなど、多種多様な女性との交際歴を持つ。
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