Gourmet

50年変わらないこだわりのジャンボプリン。味覚と視覚で楽しむ奥深い“映えプリン”の世界

 プリンで嚙み締めるべきは味だけじゃない。その楽しみは、眺めることから始まる。 「プリンの型から抜かれた富士山形にノスタルジーを感じるし、垂れるカラメルの質感に新たな発見があるんです」  そんな編集キタオカが激しく頷きたくなる名言を聞かせてくれたのは、プリン好きが高じてプリンのレシピ本『魅惑のプリン』を上梓するまでに至った、も。けん氏だ。
「映えプリンのポジショニングマップ」

「映えプリンのポジショニングマップ」のスタート地点的「ヘッケルン」(東京都・新橋)を紹介する

 今回は「カラメル」と「トッピング」の2軸から「映えプリン」を分類。味覚と視覚で人を喜びの頂きへと導く、魅惑のプリンたちを味わい尽くそう。

新橋・50年変わらないこだわりのジャンボプリン「ヘッケルン」

ヘッケルン

「ジャンボプリン」400円(単品注文不可)。52年前、格式高いレストランで10年間修業した森静雄氏が「ヘッケルン」を開く際にお店の名物として考案

 映えプリンのスタート地点として、オススメしたい場所がある。50年以上、港区・新橋の路地裏に佇み続ける老舗喫茶「ヘッケルン」だ。  オープン当時、どのビルにも必ず入っていたという純喫茶の中で個性を出すべく、店主の森静雄さんが研究を積み重ね考案した「ジャンボプリン」がそこにはある。  名前の通り、通常の2.5倍ほどある型から生み出された存在感。数秒タイミングを伸ばすだけで別物になってしまうという、1時間かけて煮詰められた琥珀色に輝くカラメル。材料に添加物は一切使われていないため、毎日お店でその日の分が仕込まれている。

「プリン巡りをするならまずはここ!」

映えプリン

カウンターの奥から出された通常の型(右)とヘッケルンの型(左)。「昔はジャンボなんて言葉なかったんだよ」とマスター

 取材時、ズラリとカウンターに並ぶプリンの型に「すごい数ですね」と声をかけると「一つ一つ手作りなの」とニッコリ。店主が「かわいい、かわいいプリンですよ」「おいしい、おいしいプリンですよ」と声をかけながら、お客さんたちの元へ送り出されるプリンをずっと眺め続けたいが、型から抜きたてだからこそ残るカラメルの香りが消えないうちに食べ始めよう。  も。けん氏も「プリン巡りをするなら、まずはここ!という外せないお店です。『ヘッケルン』起点でプリンを知れば、自分のプリン軸をつくれると思います」と推奨する。
映えプリン

「お店の中では心で喋ってるんだよ。人を支えるお店でありたいよね」と話すマスターの人柄に惹かれ、毎日多くの常連客が訪れる

「たしかに最初は入りづらい雰囲気があるかもしれない」とマスター自身も言う趣に臆せず、ドアを開ければ心温まるプリンとマスターが待っている。
ヘッケルン

「ヘッケルン」。JR新橋駅からは徒歩10分、虎ノ門駅・内幸町駅からは徒歩駅5分ほど

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も。けん氏のプリン巡りの原点「東出珈琲店(金沢)」
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【ヘッケルン】
住所:東京都港区西新橋1-20-11 安藤ビル1F
営業:平日8:00〜19:00 土曜8:00〜17:00/第2土曜、日曜祝日休み
電話番号:03-3580-5661

【東出珈琲店】
住所:石川県金沢市十間町42
営業:8:00〜18:00/日曜定休
電話番号:ー

【ドース イスピーガ】 住所:東京都千代田区神田小川町3-2-5 営業:平日7:00〜18:00 土祝8:00~15:30
電話番号:076-232-3399

【TOKAKU Coffee+】
住所:東京都江東区清澄3-1-3
営業:10:00〜18:00/火曜定休
電話番号:03-5875-8834
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