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妊娠するも忙しい彼には言えず…ドン底から救ってくれた“中年男性”とは

夢みたいな一晩の思い出

 上京してからはアルバイトを掛け持ちしながら、バンドの追っかけをする生活を送る日々。ほとんどすべてのライブに参戦し、ツアーがあれば一緒について全国を飛び回っていた萌夢さん。10代の終わりから20代の前半まで、ずっとそんな生活をしてたといいます。 夢みたいな一晩の思い出 熱心な追っかけファンとして、ファンの間のみならず、バンドメンバーからも認知されるほどだったとか。 「あるライブ終わりの後、出待ちをしていると、バンドのマネージャーから声を掛けられ、ボーカルの乗る車に案内されたんです。私を呼んでくれているなんて、とても夢みたいだと思いました。漫画みたいにほっぺをつねって、夢じゃないかって何度も確認しました。  ライブ会場から少し離れた駐車場に停めてあった車の運転席に、舞台の上で何度も見たボーカルの彼が座って煙草を吸っていて。胸がズキズキして痛むほど緊張しながら助手席に乗り込みました。それからのことは本当に夢みたいでした。夢なら覚めないでくれって、このまま夜が明けなければいいのに、って思いました」

憧れの彼との同棲生活を始めることに

「私は彼と付き合うことになりました。そして、バンドのマネージャーに任命されて、運営に携わることになったんです。程なくして、彼に同棲を提案されました。もちろん断るわけがありません」  すぐにアパートを引き払って、彼の自宅に転がり込むようにして、同棲生活をスタートさせました。あの時期は間違いなく、人生の絶頂期だったと語る萌夢さん。
(萌夢さん提供写真)

(萌夢さん提供写真)

 長年にわたって憧れだった彼との同棲はそれは幸せなものになるはずでした。しかし、その幸せは長くは続きませんでした。ライブチケットの売れ行きが芳しくない時や、スランプに陥って曲が書けない時や、バンドメンバーと仲違いしたときは、彼の愚痴をひたすら聞かされるようになりました。  それだけならまだ良かったものの、そのうち手が出るようになり、金銭まで要求されるようになったとか。 「もう別れよう、今日こそ終わりにしよう、何度もそう思いましたが、別れ話を切り出すことはとうとうできませんでした。なぜって、彼のライブの演奏が天才的だったからです。それに、機嫌がいい時の優しい笑顔を見せる彼の仕草が愛おしかったからです。そのたびに、私は彼のことがますます好きになっていったのです」
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妊娠が発覚するも彼には伝えられず
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