
一緒に入っていたチラシ
コオロギクロワッサンと一緒に入っているものは、「コオロギカフェ」のチラシのみ。メーカーとしての熱い想いやスタンスを確認したくなって、電話してみました。
なぜ今コオロギパウダーを入れたパンやお菓子を作り始めたのか? とストレートに質問をしたところ、以下の回答が返ってきました。
「2050年の世界的な食糧糧不安やたんぱく質源不足に備え、持続的な食糧の安定供給を目指して作っています。コオロギの他に(蚕の)まゆ」もあります」
えっ、まゆ……? サイトを見てみると、確かにあるではないですか!「食用蚕パウダー」を使っているという商品が。蚕は栄養、おいしさ、環境など、これからの「食」に必要な要素を満たすサステナブルフードなんだそうです。

「まゆの便りのくろわっさん」「まゆの便りのまどれーぬ」※エリー株式会社のリリースより

3月に入り、とうとう国会でもコオロギ食問題が取り上げられるようになってきました。3月30日に行われた衆議院消費者問題特別委員会において、消費者及び食品安全担当でもある河野太郎デジタル担当相は、
「陰謀論者がSNSでコオロギの話を随分拡散しているようで、かなりデッチ上げの投稿が多数見られている。私もそれに巻き込まれて随分、迷惑をしている。現時点で具体的な健康被害事例が確認されていないので、コオロギについて特に現行の原材料表示ルール以上の表示の義務付けを行う必要は現時点ではない」
という主旨の説明を行いました。その後の4月1日、河野大臣はツイッター上でも以下の連続投稿をしています。
「去年の二月だったか、スタートアップ企業関連のイベントで、参加企業がコオロギをやっていたので、試食しましたが、それだけです。スタートアップ企業には頑張ってほしいですが、コオロギ食を特に推進しているわけでもありません。(後略)」
「コオロギを使ったタンパク質を考えているスタートアップと酪農関係の予算にはなんの関係もありません。コオロギ食べるなら牛乳を飲めなどと煽っている人は、元を辿れば、いつもそんなことをやっている人たちです。もちろんダボス会議も関係ありません」
「コオロギを使ったタンパク質の可能性にまじめに取り組んでいるスタートアップ企業や研究者がいます。また、その取り組みを支援している企業もあります。世界的な課題の解決の糸口になればと汗水垂らして頑張っている人たちの努力を、一部の人の扇動に乗って傷つけるのはやめませんか」
河野大臣が発する言葉遣いに理論的な冷静さがあるとは、少なくとも私は感じませんでした。つまり国レベルでもこのような情緒的な表現が交わされている状況ですから、コオロギ食品を口に入れなければならないシーンに出くわしたら、立ち止まって自分の意志を優先してもよいのではないでしょうか。
コオロギについてのアレルギーの危険性が明らかになっていないこと。日本において安全性はもちろんのこと危険性についても正しく評価されているわけではないということ。この二つについては事実だと言えそうです。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>