「僕がお餅作ろうか?」

休日に餅を作ることが、息子の得意技になりました(7歳)
我が子は昨年のクリスマスに、サンタさんから念願の「餅つき機」をもらいました。大好物のお餅をおいしく食べたい、好きな時に食べたいという理由によるものでしたが、もち米を用意すれば親の手伝いなく、自分一人で家族のために餅作りを担当してくれるようになりました。
週末が近づいてくると、「今週の土曜日、お餅作ろうか?」と提案してくれるのです。家族の喜びにつながる役割を、家庭の中で見つけた息子は、何をやるにしても楽しそうで自信が生まれてきたように感じています。
塾で良い点数を取ったり良いクラスに上がることは子ども本人が頑張った証でもありますから、それはそれでほめてあげるべきだと思います。しかし、それだけ続けていても幸せな大人になれるかは疑問です。
日本の子どもたち精神的幸福度が海外の諸外国に比べて低いことが指摘されています(※)。このような子どもたちが成人した時、幸せな社会を生み出すモチベーションやパワーはあるのか不安ですし、やみくもな受験戦争によって、子ども達にとって自由な感性を磨く時間が制限されることは明らかです。
100年の人生を受験やテストでずっと判定されるならまだしも、決められたレールやフレームがなくなった瞬間に、果たして受験まみれの子ども達は大丈夫でしょうか? 私は正直なところ、そこで悩み苦しむ高学歴の人々にたくさん出会ってきました。
そうならないためには、自由に自分らしさを発揮するための「自信」が大切だと、私は考えます。その鍛え方はさまざまな手法があるとは思いますが、少なくとも塾だけでは困難。その不足分を味わう方法として、子どもが遊び心を持って料理に取り組んでみることが有効だと実感しています。食欲を自らの力で満たそうという姿勢が、自信を持って生きる力につながるということ。想像しやすくありませんか?

ケーキの生地を混ぜる時、気合を入れるために立ってやりだしました。このようなことを叱ったりしてはならないと考えています(当時5歳)
まずは気軽に、料理を一緒に楽しんでみてください。親が教えてあげる必要はなく、同じ目線でやってみることが重要です。いつの間にか、子どもが頼もしい発言や行動をはじめるようになり、やらされていた勉強や習い事にも主体性が宿るようになります。
※参照:
日本ユニセフ協会「子どもたちに影響する世界」