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「ぼったくり資格ビジネス」にハマったシングルマザーの後悔…“謎の講座”の価格とは

メッセージを送ってきたのは、ある自己啓発系セラピー協会の認定講師「ミランダ小林」(仮名)さん。Mさんと同じく、発達障害の子どもを持つ母親だという。同じ悩みを抱える同士でつながれるのは、とても心強い。

弱みを相手に知らせるリスク

さらに彼女も同じサービスを利用してブログを書いていたことから、活動内容や人柄も知ることができた(表向きのものだとしても)。それはとても個性的な内容で、魅力を感じたMさん。 ヒーラー認定講師沼202305-1b「ブログのコメント欄やDMで交流が続くうちに、一度スカイプでお話しませんか、となったんです。彼女が講師として広めているセラピーも、ワンコインで体験させてくれることになって。そのセラピーは潜在能力を開花させ、心を抑圧から開放することで、現実世界の問題を解決していくという、自己啓発のようなものでした」 一般に、悩みやトラブルを不特定多数に公開するのはリスクがある。弱点をさらけだすようなもので、懐へ入り込まれるからだ。そしてよからぬビジネスのターゲットになる場合もあるだろう(しかしその一方で助けを求めることも大事なので、むずかしいところではあるが)。

じょじょに詰め寄ってくる認定講師

Mさんの場合は、常に生きづらさがつきまとい、実際に困りごとを多数抱えていることを公開しているので、「一緒に悩み・解決できる」という姿勢で時間をかけて近づけば、勧誘はたやすかったのかもしれない。 筆者の友人は「金に困っているアピールをすると、情報商材やネットワークビジネスをやっている、これまた金に困っている人が集まってくる不思議」なんて言っていたが、相通じるものを感じる。 「頼れる人もなく子連れで上京。そんななか親身になって心配してメッセージをくれたり、ブログで頻繁(ひんぱん)に私のことを取り上げたりしてくれるんですよね。そしてスカイプでセラピーを体験して以降は、まだ本講座を受けると決めたわけでもないのに、受講前提みたいな話をされていく。『あの!Mちゃんが!いよいよ!』『きっとすばらしい認定講師になれる!』なんて、煽られたり。 そうしているうちに、そのセラピーを身につけたいというよりは、親身になってくれるから恩返ししたい気持ちがわいてしまった。ブログでもさんざん紹介されて、引っ込みがつかなくなったのもあります」
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講座に集まる女性たちの実態とは
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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