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“電話占い”で月収100万円稼いでいた占い師の告白「20時間働いたことも」

―連載「沼の話を聞いてみた」電話占い師の沼―― ギャンブル、不倫、整形、ときに心の病。何かしらの沼で悩める人たちから、さまざまな相談を受けてきた元・占い師Kさん。 Kさんが「委託の電話占い師」として登録していた会社は、専門性が低かったようだ。占い知識はゼロというKさんに対して研修や指導等は一切なく、ぶっつけ本番で業務にあたらせていた。それゆえ「一般的な占い師」はどのようなことをしているのか? 勉強のため、同会社に登録している占い師の現場も見せてもらっていたという。 Kさんの会社は「電話占い」だったので、利用時間が長びくほど、売り上げにつながる。そこでそれぞれのテクニックが光っていた。 【前回の記事を読む】⇒勉強もせず月収100万円稼いでいた女性が語る“スピリチュアル占い師”のウラ側

楽しませつつも、時間稼ぎ

「プロフィール写真でキャラが立つように工夫するのは当然として、時間稼ぎのテクニックは面白かった。とある占い師さんは、はじめに『まずは心を落ち着かせましょう』と言って、クリスタルボウルのようなものを鳴らしながら瞑想タイムを設けるのよね。シャララ―ンと音が鳴って静まり返るその時間は、まるでこれからヨガが始まんのかな? みたいな雰囲気」
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※写真はイメージです(以下同)

「で、それは何かというと、要は時間稼ぎ。本当にその手順が必要な人もいるんだろうけど、少なくとも私が話を聞いた範疇では、みんな時間稼ぎの手法だと話していましたね。もちろんそうした時間を設けず、淡々と相談を聞く人もいるけれど」 同じ目的では「あ……少しお待ちください……。いま……ビジョンが見えてきました……」と会話を引き延ばしながら、演出するパターンもあったという(繰り返すが、世間一般の話ではなくあくまでKさん周辺の場合は、である)。神秘的な演出で客を楽しませつつ、利用時間をひっぱる=売り上げにもつなげるという、腕の見せどころだ。 ちなみに筆者が過去取材してきたなかでは、放置プレイを思わせる「遠隔ヒーリング」が非常に効率的だなと思う。

思った以上のハードワーク

しかしその「時間」が、Kさんたちを苦しめるポイントでもあった。Kさんが受けてきた仕事には、12時間ぶっ通しで愚痴を聞くというものもあった。トータル23万円と利用料金は高額だが、夕方6時から翌朝6時までの耐久レースだ。売れっ子になればなるほど拘束時間がとにかくハードになる。 「受付開始は朝の9時。なのに深夜対応も要求される。会社が予約を受け付けるので、自分の裁量ではコントロールできない。ギャラは売り上げに応じて。バックの割合が大きくなったり、月収が100万を超えたりしたときは『法人にしたほうがいい』とかの真っ当なアドバイスをくれたこともあるけど、まあブラック企業並みに働かせられたね」
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悩める人たちに答えながら、本人の悩みも深くなる
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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