「ぼったくり資格ビジネス」にハマったシングルマザーの後悔…“謎の講座”の価格とは
ミランダ小林なる講師が純粋にMさんを大のお気に入りとしていたのか、盛り上げて講座に引き込む営業の手口なのか、第三者にはわからない。しかしその後の対応を聞くと、やはり後者なのかなという気がする。個人的な印象を述べれば、Mさんはユニークで社交的、かつ華やかな雰囲気も備えているので恰好(かっこう)の広告塔になったのではないだろうか。
小林が主催するセラピー講座は、参加者が全員女性だった。受講料は当時で約16万円。講師を名乗って活動できる「認定講師養成講座」に進むと、約30万円。参加者の多くはその資格で仕事をしていこうというよりは「自分を変えたい」という目的の人が多かったという。
シングルマザーであるMさんにとってもなかなか痛い出費だったが、日々何をやってもうまくいかないと悩み、生きづらさを解消できるならと財布を開いた。
「みんなで『環境や周りのせいにせず、自分を変えていこう』という目的に向けてがんばっていました。ところがです。はじめに声をかけてくれたミランダ小林さんをはじめ、認定講師となった仲間たちが、ほかのスピリチュアルや自己啓発に次々手を出していくんですよね」
俗に言う「セミナージプシー」である。セラピー講師たちが我先にという勢いで、さまざまな物件に手を出していくという沼だった。
<文/山田ノジル>
うまく行かない日々から抜け出したい

そして、セミナーを渡り歩く旅へ…
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。