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東大卒ママが実感。子どもと一緒に料理をしたら、「算数の成績」が向上した“3つのワケ”

3.トッピングや盛りつけをする⇒カタチを捉えるセンス、立体感覚を養える

ベリーのケーキを作っています。ベリーをどのように敷き詰めて行けば多く乗せられるかを考えながら楽しんでいました

ベリーのケーキを作っています。ベリーをどのように敷き詰めて行けば多く乗せられるかを考えながら楽しんでいました

 そしてもう一つは、算数で必要とされる空間認識力に通じるエピソード。我が家では定期的にケーキ作りを楽しんでいます。まずは無理なく、安全に、楽しみの中でやってみることが大切。親が大変だと感じたら本末転倒ですから、スポンジ部分は自分で焼かなくても良いと思います。  大切にすべきは、子どもと一緒に楽しく考えること。きれいに重ねるためにはどうしたらいいか? 何をどう重ねるか? ケーキを切ったら断面はどうなるのか? 進めていくとさまざまな発見が得られるでしょう。立体感覚はレゴブロックや砂遊びで、というのも賛成ですが、手段は多様化してもいいはずです。  先日、ローストビーフ専門店に食事に行ったときのこと。ローストビーフの塊を薄く切って、きれいに盛り付ける体験をさせてもらいました。1ミリに切って折りたたんで並べていく。息子はこの工程を通して、扇形に並べることや、折りたたむ面積の割合を楽しそうに考えていました。その姿に親が気づいてあげることは、子どもの満足度にもつながります。  食育や教育を考えるにあたり、時間がないからという理由であきらめてもらいたくありません。自分ですべてやろうとすると大変ですし、むしろ親ではない人から学ばせてもらう時間にこそ、視野の広い学びが潜んでいると思います。
お店のスタッフさんに丁寧に指導いただきながら、断面の構造や面積の概念を学んでいました

お店のスタッフさんに丁寧に指導いただきながら、断面の構造や面積の概念を学んでいました

 今回のコラムを通して、お伝えしたエピソードはほんの一部です。親として、自分や子どもに合う料理体験やレベルは違いますから、まずは楽しめそうなところからはじめてみてくださいね。  子どもが真剣に取り組む姿は、家族にとっても次への大きなモチベーションになるはずです。そして最後に、もっとも重要なことを……。  学力を上げるために料理をするのではありません。どうか親子が同じ目線で、純粋に料理を楽しんでみてください。必ずや確かな知恵や感性がついてくるはずです! <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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