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彼ママに“家柄がちがう”と反対されて別れた元彼「大好きだけど呪いたい」女性の胸の内とは

部屋に来た彼の一言で分かったこと

それから間もなく、優斗さんが、サークルのあとに大学近くの美和子さんのマンションに来ることになった。優斗さんは電車で1時間ほどの親元から通学していたため、たまたま大学の近くの美和子さんの部屋に立ち寄るのは自然な流れだった。 とはいえ、男の人をひとり暮らしの部屋に入れるのは、もちろんはじめてのことだった。急なことでなんの準備もしていなかったが、部屋はいつもきれいにしているほうなので、「コーヒーくらいならどうぞ」と、部屋に案内することになったのだ。 窓 カーテン 花「優斗はマンションの外観を見て驚いていました。“ここに住んでるの?”と。“そうよ”と、1階の1DKに彼を通すと、また驚いていました。“狭いね”って。その一言で、ああ、彼は裕福なおうちの子なんだと改めて思いました。 なんとなく感じてはいましたが、普段の彼は自慢話をしたりしないので、よく知らなかったんです。でもやっぱりそうでした。割と学費が高い大学でしたし、今思えばお金持ちの子が多かったですね。うちの場合は、共働きの両親が私が小さいときから貯めていた学資保険でなんとか私を送り出してくれた。なのでマンションも10万円未満で探しましたし、築年数は20年以上たっているようなアパート風で、オートロックではありませんでした。 でもね、少女漫画に出てくる小さな洋館のようなカワイイ住まいだと私は思っていたので、彼の反応に驚きました。その瞬間から、なんとなく感覚が違うのかなという印象だったんです」

節約料理を喜ぶ彼

感覚の違いを感じながらも、彼が「お腹がすいてきたね」というので、美和さんは何も用意していないしどうしようと思いながらも、冷凍庫をごそごそ。スーパーで値引きしているときに買い置き冷凍しておいた食パンを解凍し、ハムやチーズでピザトーストを作って出してあげた。 同じくスーパーのプライベートブランドでかなりお得なコーンポタージュを出してあげた。すると、美和さんの作る作業をめずらしそうに見て、できあがったものを食べて、目をまるくしたそうだ。 「“むちゃくちゃおいしいじゃん!”って(笑)へーこんなものが?そうなんだ!……と思って、私はホッとして胸をなでおろしました。そしてそのあと、彼の家の裕福なご飯事情を聞いたのです。 彼のおうちは代々、親族はみんな、ある財閥系の企業に勤めているという話でした。おじいちゃんもお父さんも、お母さんも系列会社。お母さんはご飯を作らなくて、お茶やお花などの習い事、お父さんの仕事関係のパーティーの切り盛りなどに忙しい。夕飯はいつもお手伝いさんが作ってくれるんだと話していました。 コーンスープただ、小さい頃は家族そろって夕食を食べていたらしいですが、中学や高校に入ると、帰宅が少し遅くなったりするでしょう?なのでご飯はもうバラバラ。もう何年も家族とご飯を食べることはなくて、お手伝いさんが用意してくれたご飯を深夜帰宅してからひとりで食べることが多かったそうです。チンして食べてねと書いてあっても、面倒でそのまま食べていたんですって。 だから、いつもご飯は冷たくて、あったかいものは久しぶりだなって話していました。なんか私には、異国の世界のお話。でもなんだか彼が私の節約料理を喜んでくれてうれしかったです。それからつきあいはじめて半年くらいは仲良かったし、楽しかった。サークルの仲間も、お金持ちで上品な人たちが多かったんですがみんな本当に性格がよっくて、とても仲良くしてくれたんです」
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突然の別れ
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