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松本穂香「当時の私は、心にぽっかりと穴が開いているようでした」|映画『わたしは光をにぎっている』

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、映画『わたしは光をにぎっている』(’19年公開)について語ります。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

私のお芝居における、一つのターニングポイントです!

 今回私がご紹介させていただきたい作品は、’19年公開の映画『わたしは光をにぎっている』です。  主人公の澪は20歳。人としゃべることが苦手で、自分の気持ちもうまく伝えられず、周りに察してもらいながら生きてきた彼女が、生まれて初めて一人になる。そこで見えた景色とは――。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

『わたしは光をにぎっている』より

 実はこの作品、私が主演を務めさせていただいた映画なんです。これぞ手前味噌! ですね。恥ずかしくて読んでいられないという方もいるでしょうけれど、できるだけ丁寧な気持ちで綴りたいと思うので、最後までぜひ。  今だから言えることですが、この映画が私のお芝居における一つのターニングポイントでした。当時の私は、いろんなものを一人で抱えすぎたからか、自分のできることもできないこともわからなくなっていた状態。体は元気なのに、心がぽっかりと穴が開いているようでした。そんなときに向かったのがこの作品だったんです。

エンドロールでは涙が止まらなかった

 いただいた台本は今までのどの本とも違う優しさで溢れていて「今ある貴方そのまんまで、少しずつ進んでいけばいい」というメッセージを感じました。なので私は、そのぽっかりと穴の開いた心のまま、作品に向かってみることにしたんです。ただ誠実にその場にいる、それだけをやってみようと。  そうしてお芝居に向かったとき、心の内から動ける瞬間や感情に出合えました。でき上がった作品はとても愛おしくて、エンドロールでカネコアヤノさんの曲が流れたときには涙が止まらなかったです。
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今の私には、あのお芝居はできません
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