
引っ越して半年ほどで町内会や地区会の仕組みもよくわからなかったものの、地区長に言われた通りに集金や資料配布などを行ったヒロエさん。
2ヶ月に1度、各地区会の役員が集まる会館の清掃にも、きちんと夫婦そろって参加していたそうです。
そんなある日、他の地区の役員と話す機会があり、驚きの事実を聞かされたのだとか。
「その方に『引っ越してきて早々に、役員を押し付けられちゃってかわいそうねぇ』と言われたんです。『え? 順番ですよ』と言うと、『違うわよ。あなたの地区、次の役員はあなたのところじゃなかったのよ!』と……。
よくよく話を聞いてみると、本来であれば役員は番地ごとに順番が回ってくるらしいんです。わが家の順番はまだまだ先だったのに、『われわれは今まで頑張ってきたんだから、今度は若い人にやらせちゃえ!』ということになって、わが家に順番が回ってきたらしいんです」
なんと、順番をすっ飛ばしてヒロエさんに役員が回ってきたことが判明。
とはいえ、すでに役員として数ヶ月が経っているため今さら交代するわけにいかず、翌年3月の任期満了まで役員を務めました。

ヒロエさんの次の役員は、元の順番通り……ということにはならず、4月からはヒロエさんのお隣さんに役員が回ったそう。そして翌年はその隣、そしてその翌年は隣、という流れで役員を担当していきました。
「あとは10軒ほどあるから、次に役員をやるのは10年後くらいかな」と思っていたある日、地区長が「4月から役員をやってくれないか」と訪ねてきたのです。
「4年前にやったと伝えても、地区の方々が『もう年だからできない』『シルバー人材センターの仕事が忙しい』、さらには『腰が痛くてできない』などの理由で断ったそうで、わが家に相談が来ました。
子どもも生まれたし、私も仕事に復帰していたので、忙しいのは同じなのですが……。『若いからできるだろう』と、なかば強引に話を進められてしまって。誰もやる人がいないと地区運営が回らないと思ったので仕方なく引き受けました」
たった4年で地区役員が回ってくるとは思っていなかったヒロエさんは、お隣さんに愚痴ったそう。
するとお隣さんは「え、そんなの聞いてない! 私は断るよ!」とキッパリ。4年周期どころか、もっと早いペースで役員が回ってくるのではないかと、ヒロエさんは懸念しているようです。
町内会や地区会などの運営はそれぞれ異なるので、まずは事前にしっかりと確認してから、納得のいくかたちで参加したいですね。
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<文/nami>