そもそも最終話を前にした時点で、みちと陽一、新名と楓の離婚が成立している。ということはみちと新名の関係性はもはや不倫ではない。すくなくとも不倫未満。 　かといって新名の一途な純愛の心をみちが受け入れたわけでもない。不倫か純愛かという二者択一の呪縛は、あのラストショットによって鮮やかに解けたかのよう。 　新名は、物語のテーマ性を最後に回収する役回りとなった。そして全話を通じてこの役に命を吹き込んだ岩田は、最大の功労者でもある。 　が、しかしなのだ。どれほど素晴らしいラストショットだとしても、これが最終話である以上は、翌週から新名の新しい表情を画面上に見ることはできない。これはやっぱりつらい。 　それでせめてもの悪あがきを考えた。毎週リアタイ前の待機時間、筆者はテンションを上げるため、本作の挿入歌にして、新名の心模様を代弁する「ダンスはうまく踊れない」を聴いていた。彼の心の奥をのぞけるような気がしたからだ。最終話後の今、この曲を聴くとどうだろう。 　新名と岩田のラストショットを目に焼き付けた記憶を持ちながらも、いつでも放送待機の気分に浸り続けることができる。この先も新名さんと一緒にいられる（かも？）。 　名付けて新名誠を“永久保存チャレンジ”。6月29日には、2ヶ月の空白期間を描く特別編放送もあるから、これでドラマ放送終了後のロスなんてへっちゃら。読者のみなさんもぜひ、このチャレンジにご参加あれ。 ＜文／加賀谷健＞ 【Amazonで発売中！】⇒ノベライズ本『あなたがしてくれなくても（上）』の詳細はコチラ 【Amazonで予約受付中！】⇒ノベライズ本『あなたがしてくれなくても（下）』の詳細はコチラ