「夫は普段から怒鳴るような人ではなくて、そのときも静かに話していましたが、声が低くて明らかに怒っているのがわかりました。義母の言葉に、後ろにいる子どもたちが怯えているのもわかっていたのだと思います」

そのときの夫の様子を、美幸さんは「カッコよくてスカッとしました」と話します。
「子どもたちは俺らと違ってワクチンも打てていない。もし何かあれば、母さんは責任を取れないじゃないか。そういうの、考えてほしい」
夫はそう続けると、美幸さんと子どもたちを促して家を出て、ホテルに戻ったそうです。
リスクは承知の上とはいえ、遠くから来たこちらのことを何も考えず自分の都合だけ口にして責める義母。夫がその味方をしなかったことは、美幸さんにとって大きな安堵になりました。

結局、その夜に義母から夫に電話があり、「
あんなことを言って悪かった」と謝罪されたそうです。
大晦日はみんなでお鍋を囲み、お正月は近くの神社に初詣にも行けて、何とか帰省は終わりました。
「どちらが非常識なのか、義母に考えてほしいです。帰省は当たり前じゃない、特に今は慎重に行動するべきで、うちも義実家も何かあれば大変なんですよね。夫はそのときは義母を許したようですが、今後もこんな感じなら、本当に帰省はやめる気がします」
安易な密状態は避けるのが重要な今、帰省も感染の対策を考えるのは必須です。それでも家族のために手を打って帰ってきてくれることは、責めるよりまず感謝の気持ちが湧かないでしょうか。こんなときこそ理解し合うのが家族だと、もう一度考えたいですね。
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<文/ひろたかおり>
ひろたかおり
恋愛全般・不倫・モラハラ・離婚など男女のさまざまな愛の形を取材してきたライター。男性心理も得意。女性メディアにて多数のコラムを寄稿している。著書に
『不倫の清算』(主婦の友社)がある。