多くの方が勘違いしているマナーに「逆さ箸」があります。せっかく彼にお料理を上手に美しく取り分けてあげようとしても、自分のお箸を上下逆にして使ったら、それはマナーを知らない女性と評価され、格下げになっても仕方ありません。きちんとお取り箸を使って取り分けてください。

諏内えみさん
左手を小皿のように添えて召し上がるしぐさ、いわゆる手皿というもの。実に頻繁にお見かけしますよね。実は、こちらは立派なマナー違反です。ところが、「上品」と勘違いしている女性がまだまだ大勢いらっしゃるのには驚きます!
テーブルマナー講座での生徒さんたちにも、プライベートで行ったレストランでも本当に目につきます。また、テレビでも多くのタレントの方がなさっているので、そのような勘違いが生じるのかもしれません。でも、本書をご覧のみなさまは決してなさらないでください。この所作は、上品どころか逆に『下品』なのですから。
もうひとつご注意いただきたいのが、良かれと思ってなさっているお皿の重ね置きです。食べ終わったお皿を、お店の方が片付けやすいように重ねて隅に置いておく、という光景はたまに見かけますよね。重ねてもまったく構わないお店なのか? もしくは、大切な器を傷つけてしまう可能性を好まないお店なのか?
また、下のお皿の汚れなどが上に重ねたお皿の底面に付着してしまうのはどう考えるのか? お客さまが片付けることをありがたく、助かると思ってくれるお店なのか? はたまた彼への気が利く女子力アピールなのか?
純粋な親切心からだとしても、そのお店のランクなどをよく考えてからなさってください。