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松田翔太、水嶋ヒロ、宮沢氷魚の“意外な共通点”。出身校が魅力の理由の一つだった

我が道を行く松田翔太

 現在38歳、水嶋よりひとつ年少である松田翔太は、高校は都内のインターナショナルスクールに通った。  父・松田優作、あるいは大島渚監督の遺作『御法度』(1999年)でちょうど俳優デビューしていた兄・松田龍平の背中を追って、彼は何を思っていたのか。  その後、彼はロンドンの美術専門学校に2年間通う。多くのインターナショナルスクールで海外留学を目標にしているように、松田も正攻法でイギリスへ渡ったのだ。そして俳優デビューは、2005年の『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢』。  水嶋同様に、ゼロ年代を駆け抜けたひとり。中でも『花より男子』(TBS、2005年)で演じた茶道家元の御曹司・西門総二郎役は地でいける役柄だった。父や兄とは違う我が道を行く松田だからこそ、極度に現実離れしたこの役をリアルに体現出来たのである。

宮沢氷魚は“最重要人物”

宮沢氷魚 ファースト写真集 『Next Journey』(集英社)

宮沢氷魚 ファースト写真集 『Next Journey』(集英社)

 そして水嶋、松田以上により具体的に演技に落とし込んでいるのが、三人目、宮沢氷魚である。言わば彼は、インターナショナルスクール出身俳優の“最重要人物”だと思う。  サンフランシスコ生まれ。幼稚園から高校までをインターナショナルスクールに通った宮沢は、帰国後に難関・国際基督教大学に編入した。彼の英語力は芸能界でも折り紙付き。発声、発音、ジェスチャー、振る舞い、どれを取ってもネイティブにしか見えない。  英語の達人である宮沢は、冒頭で説明したような思考法を演技に取り入れているように思う。  その役柄をどのように演じるのか。理想の演技像を考え、それに少しでも近づけるために、キャラクターとの対話を多角的に試みる。ディベート型演技の典型のように思う。  西欧文化を熟知する彼は日本を客観的に捉えている。同様に役柄に対しても、客観性を担保しながら俯瞰した眼差しを持っていられる。『エゴイスト』や『ドラフトキング』(WOWOW)など、2023年はすでに名演が多い宮沢が示す、演技の答えがあるのかもしれない。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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