翌日、はじめてできた保育園のママ友とのランチに心が踊っていた真里さん。お出かけ用のワンピースにブランドバッグを持って少しヒールのあるパンプスを履いて向かいます。
「うちの近くは、デパートが多いんです。普段もよく主人と屋上ランチやディナーはしているので、だいたいどのデパートに行けば何が食べられるかは把握していますね」
デパート通だという真里さん。明美さんとのランチも、きっとデパートのどこかのお店になるに違いないと楽しみにしていたそう。
「食べることは好きなので、時々ランチに行くママ友ができたらいいなとは以前から思っていました。でもね、待ち合わせ場所に到着した明美さんは、昨日と同じTシャツに半ズボン姿だったんですよ」

真里さんは明美さんの服装に驚いたものの、あえてその話には触れなかったそう。
にこやかに対面した後、「お腹すいたね~。どこに入ろうか」と真里さんが言うと、明美さんは「私のいつものコースでもいいかな」と言ってきたそうです。
「私は何のランチでも良かったので、彼女の定番のコース料理でいいよと思っていました。でも、彼女の定番のコースって、コース料理のことではなかったんですよ」
明美さんについて行った真里さん。デパートに入ると、明美さんはレストラン街のある屋上階ではなく、地下の食品館へと進んで行ったといいます。
「あのときのことは、ショックすぎてなるべくなら思い出したくありません。彼女ね、デパ地下の試食をランチ代わりにしていたんです。どこのデパートはサイズが大きいか、何時が狙い目かとか、試食するコースを私に説明してきて……」