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平凡な父親が「娘の彼氏を殺した」理由。佐々木蔵之介の“過激すぎる秋ドラマ”は成功するか

主演・佐々木蔵之介という安心感

 楽しみな要素として、キャスティングも挙げられる。哲雄を演じるのは佐々木蔵之介。カメレオン俳優としていろいろな役を演じてきただけに安心感はすごい。哲雄は普段はナヨナヨしている平凡なサラリーマンではあるが、映画『夫婦フーフー日記』(2015年)では、どこか頼りないが家族思いの優しい男性、という哲雄と重なる部分が多い役どころを演じていた。
夫婦フーフー日記

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 ちなみに漫画ではとにかくのモノローグ(心の声)が多い。哲雄がいろいろ考えを巡らせるシーンが目立つため、クレバーな一面も求められる。ただ、クレバーさは佐々木の専売特許。最近ではドラマ『風間公親 教場0-』(フジテレビ系)の3話に大学教授役で出演して狡猾(こうかつ)な役を演じてみせた。

猟奇的キャラも“のほほん”もおまかせの木村多江

 また、妻の歌仙は木村多江が演じる。普段はおっとりしている一方、かなり肝が据わっている歌仙。妻を事件に巻き込んだことを悔やむ哲雄の罪悪感をよそに、猟奇さを覚えるほど冷静な一面を見せる。木村といえば2019年のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)でマンションの住民会会長・早苗を演じていたが、同作ではハンドミキサーを持って暴れまわる、という怪演を見せて視聴者を驚愕させた
 加えて、2021年に放送された『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(NHK)では姉の江里子役を演じて、阿佐ヶ谷姉妹らしいのほほんとした空気感を見事に再現した木村。『マイホームヒーロー』でも歌仙のギャップを楽しませてくれるだろう。
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漫画の過激な描写をどこまで再現できるか
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