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「20代の頃の記憶が曖昧」キャリア20年以上の実力派女優が心に留める先輩の姿とは

20代ときに、大ショックな出来事が

――貫地谷さんには何度か取材させていただいていますが、いろんな方のお話をよく覚えていらっしゃいます。意識的に人との出会いを大切にされているのでしょうか。 貫地谷「10代の頃は、それこそすべてが嬉しくて新鮮でした。貪欲でもあったのだと思います。でも20代は本当に忙しくて、記憶が結構曖昧なんです。ショックなこともあったのだと思います。たとえば“次、また一緒にやろうね”という大人の口約束が一向に実現しないとか。“すべてを真に受けちゃいけないんだな”といった気持ちになったり、いろんなことに挫折をしたり。あとはとにかく忙しかった。そうしたなかで曖昧な時間を過ごした時期がありました。そうしたなか、ある出来事があったんです」 ――どんな出来事でしょう。 貫地谷「大先輩の橋爪功さんに久々にお会いしたんです。その時に、“この前、どこどこで会ったよな”と言われたんですけど、私、そのお会いしたときのことを全く覚えてなかったんです。憧れの先輩の橋爪さんのほうは、ちゃんと覚えてらしたのに。私、ものすごくショックで、家に帰って“脳の衰え”について調べたんです。そしたら、脳は、人間の臓器の中で、唯一衰えない器官だと。衰えるのは好奇心だと。もうショックで、ショックで」 『シェアの法則』貫地谷しほり

意識してアンテナを張っている

――忘れていたのは、脳の器官のせいではなかった。 貫地谷「それで、もっといろんなことに興味を持って生きなきゃと。つまり、貪欲だった10代の頃のような私でよかったんだと。橋爪さんにお会いしてガツンとやられて、方向を修正されました」 ――ではやはり意識的に修正したところもあるんですね。 貫地谷「今はそうですね。まあ覚えていないことは、どうでもいいことだとも言いますけど、でも自分がいろんなところにアンテナを張っていれば、おもしろいと思えることも多くなるだろうと思います」
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宝物といえる人たちの存在
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