とはいえ、純恋の前では“いい人”の椿。ここでも怒りを露にすることは一切なく、「純恋のこと、好きだった」とその身勝手な問いに答え始める。続けて、「
好き同士だったけど、両想いじゃなかったなって」「好きっていうパッケージに満足してるだけ、みたいな。想えてないんだよ、それで言えば片想いですらなかった」と言う。

純恋は「
珍しくいっぱい喋る時って、意味わかんないことばっか言うよね」と困惑。あれこれ頭の中で考えてしまう椿の言葉は、感情的にぶつかってきてほしい純恋に届かず、あまりに会話がかみ合わない。
それでも、「純恋には嫌われない配慮をずっとしてて、好かれる努力はできなかった」と言葉を続ける。序盤に椿は「好きな人との人間関係は2パターンで、好かれる努力をするか、嫌われない配慮をするかのどちらかしかない」と話していた。
「どうすれば純恋に喜んでもらえるのか」よりも「どうすれば純恋に嫌われないか」ということばかりを気にして過ごしていたことが、「好き同士だったけど、両想いじゃなかったなって」という発言の真相だったのかもしれない。
実際、純恋との会話で事あるごとに「ごめん」と謝罪する椿に純恋は「『ごめん』が口癖だよね、やめたほうがいいよ」と言われ、「ごめん、楽してるだけ」「自分が悪いって思うほうが楽だから」と返答しており、純恋を想ってはいないことが透けて見える瞬間でもあった。