
※イメージです(以下、同じ)
――作中の4人のママたちは、ある出来事をきっかけに揉めてしまいますが、もともとは仲が良かったのでしょうか。
ゆむい:どこにでもいるような、幼稚園の送り迎えで井戸端会議をしているママさんたちです。知人の話をもとにしているので、全ての登場人物にモデルがいます。
ママ友のコミュニティは雑談をする中で「あの係が一番大変だけど先にやっておいたほうが後々のためにはいい」とか運動会を見る時のポジションの話とか、公式に発信されないような情報が入ってきたりします。
この4人が集合しているバス停は公園に近いので一緒に遊ぶことも多いです。幼稚園から帰ってくる時間も同じだから、合わせなくても習い事もだいたい重なる。例えば水曜は帰宅時間が早いからプールに通わせやすいとか。悪いことばかりではなくいろいろと良い点もあったんだと思います。
私もママ友ができた時は「人見知りな私でもママ友コミュニティーに入れるんだ」と嬉しく思っていた時期がありました。
――幼稚園バスの送迎場所が同じだと仲良くなりがちなのでしょうか?
ゆむい:私自身、1人目の子どもは徒歩通園だったので決まった人と登園が一緒になることはありませんでした。でも引っ越してバス通園になったときは、同じバス停のママさん達と顔見知りになりました。
あまりコミュニケーションが得意なほうではないのですが、毎日顔を合わせたり幼稚園の係で一緒になると話をせざるを得ないですよね。自治会があったりすると人付き合いが苦手でも知り合いができると思います。
――子育てをしていると自分が望んでいなくても人との関わりが増えますね。
ゆむい:知らない地域で横のつながりを作れるのでありがたいですね。でも面倒なこともあるので複雑です(笑)。
――ゆむいさんはママ友グループの中ではどう振る舞っているのですか?
ゆむい:PTAなどでは無難そうなベルマーク係になったり、できるだけ気配を消して周りの人に合わせています。
――駐車場で話し込んでいるうちに子どもたちの誰かが車に傷をつけてしまったとき、誰もその現場を見ていなかったことから「4人で平等に賠償する」という最初の対応は良かったんじゃないかと思います。
ゆむい:このトラブルも知人から聞いた話をかなり参考にしているのですが、最初はこれで上手く解決するはずだったといいます。私も、犯人探しをしないという初動は大切だと思います。でも時間が経つと「うちの子はやっていない、巻き込まれただけ」と言う人が出てきてしまった。そのために4人の雰囲気が悪くなってしまいました。
――作中では、それぞれの夫たちが冷静なアドバイスをしているところが心強いなと思いました。
ゆむい:当事者よりも一歩引いた視点でいられるので冷静に判断できるのだと思います。ママたちは「自分が見ていなかったせいで子どもがトラブルを起こしてしまった」という申し訳なさがあるので「全額賠償しないといけない」と思い詰めてしまいます。
でも夫たちは「保険の範囲内で対応すればいいんだよ」と必要な事務処理を進めることに考えを向けることができるんです。
――こういうトラブルが起きた時は、どう対処するといいと思いますか?
ゆむい:正解はわからないです。漫画の4人のように「みんなでやる」という姿勢も大切ですが、それで話がこじれて被害者を待たせてしまうくらいなら、「自分が」と進んでやった方がスムーズだったかもしれないですね。