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子どもとの外出に苦労した4児の父が、人気アプリを開発。100万ダウンロード超えのワケ

 子どもが生まれ外出するようになると、多くの親が悩むのが「授乳やオムツ替えをどこでするか」という問題。 ベビー休憩室の案内看板 いざ探してみると、落ち着いて赤ちゃんのお世話ができる清潔で安全なスポットを見つけるのは意外と難しいことに気がつきます。  一方で、徐々にではありますが全国の公共施設や商業施設で授乳室やベビールーム(赤ちゃん休憩室など名称はさまざま)を設置しようという動きは広まりつつあります。  そんななか、2023年9月に島根県松江市の道の駅に段ボールでつくられた簡易設置型の授乳室が寄贈されたものの、SNSを中心に賛否の声が噴出。「安心して授乳できない」「ないよりはあるほうがいい」と論争が巻き起こりました。  それではいったい、親たちはどんな授乳室・ベビールームを必要としているのでしょうか? また、設置が増えることでメリットがあるのでしょうか?  今回は、赤ちゃんを育てる人たち向けの授乳室・おむつ替え台検索アプリ「ママパパマップ」の開発者であり、株式会社コドモト代表取締役・村石健さんに話を聞きました。

発案のきっかけは自身の育児体験から

ママパパマップ アプリ画面

「ママパパマップ」アプリ画面

「ママパパマップ」は現在地から最寄りの授乳室やおむつ替え台を検索できるアプリ。  地図上で最寄りの授乳室を検索したり、駅名や地名、施設名称からも検索できるため、使ったことがある人は少なくないかもしれません。  ユーザーは誰でも授乳室の評価ができ、その評価は授乳室を探す他ユーザーの参考になります。  105万ダウンロードを超えるこのアプリは4児の父でもある村石さんの子育て経験がアイディアのもとになっています。 「1人目の子どもがまだ0歳のとき、僕が仕事から帰って妻に『今日はどこに行ったの?』と聞くと毎回イオン、イオン……ということがありました。どうしてイオンにしか行かないのか聞くと『(他の場所に行こうとすると)どこに授乳室があるかわからないのが怖い』と言うんです。それは良くないなと、すぐに授乳室やオムツ台のある場所がわかるようにしたいと思いました」(以下、村石さん)

「男性入室可」のスポットを見つける大変さ

村石健さん

「ママパパマップ」の開発者であり、株式会社コドモト代表取締役・村石健さん

 また、村石さん自身も子どもと外出し、男性ならではのハードルの高さを感じた経験があるそう。 「子どもがおむつの中でうんちをして、その不快感でものすごく泣いているのに男性が使えるおむつ替え台がいくら探しても見つからないことがありました。そのときに抱いた罪悪感は今でも覚えています。その夜、すぐにこのアプリを作ろうと決めました」  まだまだおむつ替え台のついている男性トイレが少ない現状があります。また、赤ちゃんのお世話全般ができる「ベビールーム」が「男性はお断り」となっていたりすることも。父親と乳児のお出かけもまた、大変なのです。
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産後育児のメンタルの負担を軽減する手助けにも
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