
紗奈さんが大変だったのは、家の問題だけではなかったそうで……。
「あの時は、娘たちの引っ越しの準備が大変でした。手続きというよりも、メンタル面ですね。2人とも広島への引っ越し間際まで『嫌だ、嫌だ』と毎日泣いていたんです。特に夜になると寂しさが募るようで、朝、泣いて真っ赤に腫れた目を見るのは切なかったですね」
特に小学5年生の長女は、友達との別れに大きなショックを受けてしまいます。
「普段温厚な長女が、父に向かって『パパのせいだ! パパなんて嫌いだ!』と怒鳴りつける姿には胸が締め付けられました」
そんな娘たちの姿を見守りながらも、1ヶ月後の広島への引っ越し向けていろいろと準備を進めていたそう。
「住宅ローンを抱えたまま引っ越す事にも不安があったんです。でも、不動産屋さんに事情を説明したら、定期借家契約で家を賃貸に出すことを勧められて。銀行にも事情を説明して、私たちが広島にいる間だけ家を賃貸する事にしました」
現地の幼稚園や小学校にも連絡し、転園、転校の手続きを進めます。隆志さんは会社の引き継ぎ業務に追われ、引っ越し間際まで家のことのほとんどを紗奈さんが進めます。