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大人になって仲良くなった4人組には“共通点”があった。謎多き女性の登場が意味するもの

「みんなのみどちゃん」会

木曜劇場『いちばんすきな花』8話より© フジテレビ 第7話ラストで、キャリーケースを引いてホテルの部屋に入ってくる志木美鳥(田中麗奈)が映る。すると第8話冒頭、美鳥が共通の知り合いであることは確かだけれど、だからといって5人で会うのは違うのではないかと議論になる。  やっぱりひとまずは2人ずつでよかったと美鳥も納得する。  すると夜々がこんな表現を。「みんなのみどちゃん」。なるほど、そうか。椿の家をシェアする4人が、今度は美鳥を共有する。だから、グループ名は、「みんなのみどちゃん」会でどうだろう?  

ポストコロナを生きる新しい結びつき

木曜劇場『いちばんすきな花』8話より© フジテレビ 近年、シェアハウス物は、テレビドラマのトレンドになっている。おそらくは、コロナ禍で物理的な交流が制限されていたことの反動ではないかと筆者は考えている。  とはいえあまりにも製作本数が多くはないか。個人的には金子ありさ脚本で川口春奈と横浜流星が共演した『着飾る恋には理由があって』(2021年)を頂点として、同ジャンルは飽和状態になった気がしている。 『いちばんすきな花』では、シェアハウスすれすれのところで、登場人物たちの交流を描くというクリティカルな視点が導入された。しかも椿が引っ越しを決断することでシェアハウスが事実上、見事に回避されてもいる。「やれシェアハウスだ!」に対する明らかなアンチテーゼだろう。  椿の家にこれ以上集まれないとなると、4人の集まりをこの先どう描くのか。そこで謎が多い美鳥が満を持して登場し、彼らのシェアが継続される。これは言わば、ポストコロナを生きる者たちの新しい結びつきなのではないだろうか。
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