ドライブ中に「コン」と音がして…コロナ禍に起きた“あり得ない出来事”。「原因はナンバープレートでした」
多くの人が今まで経験したことのなかったパンデミック、新型コロナの流行。2020年から約3年間を振り返ると、未知のウイルスに対してさまざまな情報や憶測が飛び交い、それに人々が振り回されてしまった場面も多かったのではないでしょうか。
今回はその象徴的なできごとについて、2人の女性に話を聞きました。様々な規制が緩和され「アフターコロナ」と言えるようになった今だからこそ、もう情報に振り回されないためにも、自分の頭で考える大切さについて考えてみたいと思います。
2020年4月。中学生の子どもを持つ水野さん(仮名・45歳)は、緊急事態宣言が出た瞬間、塾のお迎えで外出中でした。
新型コロナについての話題は耳にしていましたが、さほど気にも留めていませんでした。ですがその宣言によって世の中がパニックを起こしたことを知り驚いたそうです。
「塾の前でママ友と立ち話していると、別のママ友が慌てて駆け寄ってきて『スーパーでトイレットペーパーが売り切れ続出よ!』とまくしたてました。
どうやらSNSで、コロナ禍でトイレットペーパーの原料が中国から輸入できなくなるという情報が流れたらしく、スーパーに人が殺到。トイレットペーパーが一瞬で売り切れてしまったらしいのです」
トイレットペーパーが品薄になるという情報は、その後デマだったと判明しました。しかしそこから、マスク不足、アルコール消毒液不足とさまざまなものが店頭から消え、物資不足を煽るメディアと、それに扇動される人々でパニックが起こりました。
日本では大きなパニックになるとなぜかトイレットペーパーがなくなりますが、昭和40年代に起きたオイルショックの記憶がまだ残っているのでしょうか。オイルショックの頃、まだ生まれていなかった人にまで。
「不安になって買い占める人が増えると、本当にそれを必要な人が買えなくなります。実際、わたし自身も本当にトイレットペーパーがなくなったのに、買いに行っても売っていなくて困りました。
不安をあおるメディアの報道も、それに煽られて買い占める人たちも、どちらにも疑問が残りました。もっと冷静に考えて、本当に必要な分だけ買えば、そんなに取り合いになることもないのに、と思いますね」
と水野さん。メディアで品薄と取り上げられるものが片っ端からなくなる、ある種の「集団ヒステリー状態」があちこちで勃発しました。わたしたちは、またパニックが起こしたらそれを繰り返すのでしょうか。
トイレットペーパーがない! で知った緊急事態宣言
