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かわいいから犯行に及んだ…小児性犯罪者が語る「かわいい」に潜む“身勝手な欲求”

自分を絶対に脅かさない存在こそ「かわいい」

小学生の登校風景 子どもたちは大人に比べ体力もなく、背丈も小さく物理的に劣っています。そしてたとえ被害にあっても、親や周囲の大人に訴えるだけの知識も経験もありません。そんな存在は、小児性犯罪者にとって絶対に脅かされない存在です。  特に、さまざまな事情で親との関係が良好でない、家庭に居場所がないと感じている子どもは、自分に関心を持って声をかけてくれる大人の話をすぐに聞き入れてしまいます。  彼らのこころは、とても脆弱です。「自分には価値がない」と考えている、自己肯定感が低い、家庭に居場所がないといった子どもほど、小児性犯罪者にとっては「かわいい」存在ともいえます。  彼らはそんな、自分を絶対に脅かさない弱くて「かわいい」存在を見つけると、大人と子どもという圧倒的な体格差や地位関係を利用し、巧みにグルーミングしていくのです。 *1 會澤まりえ、大野実 “「かわいい文化」の背景” 尚絅学院大学紀要 59 (2010): 23-34. 四方田犬彦『「かわいい」論』ちくま新書、2006年 *2 外務省「ポップカルチャー発信使(ファッション分野)の委嘱」 <文/斉藤章佳>
斉藤章佳
精神保健福祉士・社会福祉士。西川口榎本クリニック副院長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症回復施設の榎本クリニックで、ソーシャルワーカーとしてアルコール依存症をはじめギャンブル、薬物、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニア(窃盗症)などあらゆる依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに3000人以上の性犯罪者の治療に関わる。著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』『盗撮をやめられない男たち』など多数
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