確かに人生の選択には妥協がつきものです。いつでも100%好きなものを選べるわけではありません。
多くの妥協の選択の上に我々の人生は成り立っていて、それでもほとんどの分野はうまくいっています。ですから、少々の妥協が必ずしも悪いわけではありません。ましてや、パジャマの色や柄、襟の形などというものは、どうでもいいもののうちの一つでしょう。

いつでも100%好きなものを選べるわけではないけれど…
しかし同時に、パジャマの色や柄、形は自分で選べるものの一つです。今妥協して、気に入らないものを買って着ることもできます。
けれども、嫌なものを着ると、心が少しずつ擦(す)り切れる感じがするのです。その色と柄、襟の丸みを見るたびに、きっと少しげんなりするでしょう。そしてそんなものを選んだ自分が嫌になり、後悔のため息が出るでしょう。
私の場合、嫌いなものはいずれ着なくなることは自分でもよく知っています。ですから、お店でパジャマをざっと見ただけで、長い時間、逡巡(しゅんじゅん)せずに、「ちょっとこの中からは買えないです」とお店の方に伝え、店を出ようとしました。
しかし今どき、お店の方も必死です。ピンクでも丸襟でもない、ビエラ素材(ウールと綿の混合)の白地に赤のチェックのパジャマを持ってきて、「こちらのタイプならもう少ししたらネイビーのものが出ます」とお勧めしてきました。私は「ネイビーなら着られるので、それが出たらまた」などと言って、お店を出ることにしました。
ネイビーのチェックなら確かに着られるんだけどね。だけど、私が探していたのはトリプルガーゼのパジャマなの。どっちにしろ何かしら妥協しなきゃだめってこと? いやいや、妥協するぐらいなら要らない。ほかを探すか、なんか違う方法を見つけるわ。
そんなふうに考えながら、放置すること約1ヵ月。お店のHPを見たら、トリプルガーゼのネイビーのタータンチェックのパジャマが出ているではないですか!

パジャマやルームウェアの専門メーカーWINDの「トリプルガーゼ両面起毛タータンチェック柄パジャマ」
焦って、妥協して、自分の心に反して好きでないものを買わないでよかった。これで今年の寒い夜はなんとかしのげます。