「トイレで排泄するわが子」を動画で公開する親たち。コメント欄で“恐ろしいこと”が起こっているのに
幼児がトイレで用が足せるようにトレーニングをする「トイレトレーニング(通称トイトレ)」。小さなお子さんがいる家庭では「何歳からすればいいの?」「うまく進まない」など悩みやすいものです。そんな時、SNSで先輩ママたちが教えてくれる「試してよかったトイトレ方法」や「おすすめトイトレグッズ」はとても参考になります。
一方で、トイレトレーニングについての情報を検索していると、目を疑うような動画投稿も散見されます。それは、トイレで排泄する子どもの様子を撮影したもの。
多くは性器にモザイクをかけていますが、排泄中の子どもの顔のアップ、下着姿やお尻が見えているものもあります。これらの子育て投稿が持つ問題点について、公認心理師の芙和せらさんにお話を聞きました。
――子どもの着替えやトイレシーンの動画が投稿されている現状について、どう思われますか?
芙和せらさん(以下:芙和)「投稿している親御さんたちに悪気はないと思いますが、これらはお子さんにとってかなり危ない行為だと言えます。
いわゆる『子育てアカウント』全体で見ると、中には性器にモザイクがかかっていないものさえあります。例えば家族で海に行き、子どもたちがバタバタとお着替えをしましたというシーンの中に、裸の子どもが写ってしまっているといったケースです。
子育てアカウントの中には、過去の投稿や自己紹介でママや子どもの名前を出しているものもあります。そんな中でSNSで動画を公開することがどういうことか、危険性やお子さんに及ぼす影響があまり想像できていないように見えますね」
――具体的に、どのような危険性が考えられますか。
芙和「どのような投稿であっても、子どもの顔がはっきりとわかるものは危険です。顔写真とあわせて、子どもの通っている小学校や名前がわかれば誘拐される危険性もあります。
犯罪に走る一部の小児性愛者 は、子どもの名前や学校を特定しようと、ものすごい執念でアカウントの内容を調べます。例えば『○○小学校の美少女図鑑』というものを作って、女児の名前や住所を小児性愛者の間で共有しているケースもありました。住所まで特定できなくても、過去の投稿から子どもの通っている塾を割り出し、通路で待ち伏せをしていたという話もあります。
『うちの子、かわいいんだよね』と、SNSに投稿してみんなに見てもらい気持ちはわかります。でも、その気軽な投稿が原因で犯罪に巻き込まれる危険性があることは、大切なお子さんを守る保護者としてしっかり認識しておいてほしいですね」
危険性や子どもに及ぼす影響が想像できていない
