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キムタクの“メガネの冴えないキャラ”が今や新鮮。キャンパスライフを描いた90年代純愛ドラマとは

 いついかなるときでも、純愛を大切にして求めていたいものである。物語の世界でもそれは同じこと。
『あすなろ白書』

©柴門ふみ/小学館 ©フジテレビジョン

 2023年で放送から30周年を迎えた『あすなろ白書』(フジテレビ、1993年)は、石田ひかり扮する主人公のピュア・ラブで視聴者の心をときめかせる。12月6日にBlu-ray BOXが発売され、純愛一色の人間模様を改めて観察しない手はないだろう。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、純愛の導き手となる石田ひかりと木村拓哉を見つめながら、『あすなろ白書』を解説する。

めくるめく高視聴率フジテレビドラマ

『東京ラブストーリー』(1991年)、『101回目のプロポーズ』(1991年)、『素顔のままで』(1992年)、『あすなろ白書』etc……。90年代に最高視聴率30%以上を記録した、めくるめく高視聴率フジテレビドラマ作品だ。 『あすなろ白書』他、同局90年代ドラマとしては木村拓哉出演3作品が、30%を軽く超えている。そこには1996年に放送され、久保田利伸による主題歌「LA・LA・LA LOVE SONG」が大ヒットした『ロングバケーション』(以下、『ロンバケ』)ももちろん含まれている。 『ロンバケ』以前以後でテレビドラマに対する語られ方が、だいぶ変わるようにさえ思う。それくらい木村拓哉がドラマ史に刻んだ功績は計り知れず、同作が放送された月9枠を金看板として華々しいキャリアを歩んできた。

ラブストーリーとは、“純愛への配慮”

『あすなろ白書』

©柴門ふみ/小学館 ©フジテレビジョン

 90年代フジテレビ限定で話を進めたのは、2023年で放送30周年となるからである。さて、本作をどう語ろうか。  まず、純愛の縦糸とラブストーリーの横糸とは、いつの時代も決してほつれることなく、キュッと結び目を作っているということ。とりもなおさず、ラブストーリーとは、“純愛への配慮”だ。  本作の主人公・園田なるみ(石田ひかり)は、そのことを改めて考えさせてくれる存在だ。大学入試でシャープペンをさっと貸してくれたナイスフォローな掛居保(筒井道隆)のことを彼女は、静かに思い続けている。
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キャンパスライフを謳歌する「あすなろ会」
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【商品情報】
あすなろ白書 Blu-ray BOX 好評発売中
発売元:フジテレビジョン/販売元:ポニーキャニオン
(C)柴門ふみ/小学館 (C)フジテレビジョン

○Blu-ray BOX[4枚組]
価格:¥31,020(税込)

○収録内容
放送全11話

○収録分数
本編559分

【キャスト】石田ひかり・筒井道隆・木村拓哉・鈴木杏樹・西島秀俊・杉山亜矢子・加賀まりこ・岩城滉一 ほか

【スタッフ】
原作:柴門ふみ「あすなろ白書」(小学館「ビッグコミックスピリッツ」)
脚本:北川悦吏子
プロデュース:亀山千広
演出:木村達昭 田島大輔 新城毅彦
音楽:S.E.N.S.
主題 歌:「TRUE LOVE」藤井フミヤ(ポニーキャニオン)
挿入歌:「ひとさじの勇気」峠 恵子(ソニーミュージックエンタテインメント)
制作著作:フジテレビ
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