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キムタクの“メガネの冴えないキャラ”が今や新鮮。キャンパスライフを描いた90年代純愛ドラマとは

キャンパスライフを謳歌する「あすなろ会」

『あすなろ白書』

©柴門ふみ/小学館 ©フジテレビジョン

 何とか大学に合格したなるみが、ふとしたことから所属することになるのが、自由気ままなキャンパスライフを謳歌する「あすなろ会」だ。所属といっても、サークルなのか、単なる会合なのか、不確かなグループではある。  再会は早い。とっさに会名を名付けたのが、保だった。男子3人、女子2人。なるみと保の他に、メガネ男子の取手治(木村拓哉)、 クールな長身イケメン松岡純一郎(西島秀俊)、バブル的な艶やかさの東山星香(鈴木杏樹) がいる。  彼らは毎日のように連れ立って青春そのものを生きる。あすなろ会の集まりに飽き足らず、合コンなども楽しむのだが、そんな会の気質と保のふわふわした感じに対して、なるみはひとり、どこか肩身が狭いところがある。

いい加減に茶化す筒井道隆の雰囲気

『あすなろ白書』

©柴門ふみ/小学館 ©フジテレビジョン

 何せ彼女は純愛の申し子。ロケット花火で遊んでいる浜辺。なるみは、保から唐突にキスされる。保に特に意味はない。でもなるみにとっては、忘れられない記憶になった。  彼女は言う。「掛居君が5分で忘れちゃったようなキスについて、私はひと月も二月も考えてたんだよ」 。この台詞から、純愛の火花が控えめながら、スパークする。一応彼女の気もちを理解したらしい保だが、筒井の素朴ながらなおかつチャーミングな捉えどころのない雰囲気が、いい加減に純愛を茶化す。 『総理と呼ばないで』(1997年)での官房長官役なども様になっていた筒井ばかり目立つなと思っていると、やや低空飛行から伸びやかに木村拓哉が上昇してくる。黒縁メガネの冴えないキャラだからこそ、むしろ光るものがある。
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“純愛のキムタク作品”として
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(C)柴門ふみ/小学館 (C)フジテレビジョン

○Blu-ray BOX[4枚組]
価格:¥31,020(税込)

○収録内容
放送全11話

○収録分数
本編559分

【キャスト】石田ひかり・筒井道隆・木村拓哉・鈴木杏樹・西島秀俊・杉山亜矢子・加賀まりこ・岩城滉一 ほか

【スタッフ】
原作:柴門ふみ「あすなろ白書」(小学館「ビッグコミックスピリッツ」)
脚本:北川悦吏子
プロデュース:亀山千広
演出:木村達昭 田島大輔 新城毅彦
音楽:S.E.N.S.
主題 歌:「TRUE LOVE」藤井フミヤ(ポニーキャニオン)
挿入歌:「ひとさじの勇気」峠 恵子(ソニーミュージックエンタテインメント)
制作著作:フジテレビ
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