セックスフルがいかに夫婦関係に亀裂を入れかねないのかが見えてきた。とはいえ、セックスフルは聞き手の捉えようによっては自慢話と受け取られかねない。セックスレスに苦しむ人にとっては“煽り”でしかなく、その苦しみを表に出すことは難しい上に、世間から注目されにくい問題と言って良い。
セックスフルの苦しみを気軽に発信しやすくするために重要なこととして、樋口さんは「第一に『
夫婦間でも、双方の同意がなければ性的暴行になる』ということがもっと広まれば良いなと思います」と回答。
「『夫婦なんだからそういう行為は当たり前』という認識は根強く、一昔前なら男性側の要求に応えることは『夫のお世話は妻の義務であり務め』とまで言われていました。正直、以前までは私もそういった価値観を疑おうともしませんでした」
「ただ、私がセックスフルに苦しんでいることを友人に話した際、『それは違うよ』と教えてもらい、この“常識”がいかに誤っているのかに気付けました。友人がここで茶化すことなく真剣に話を聞いてくれたことで、私はとても救われました」
そして、「セックスフルもセックスレスと同じように深刻な悩みです。今後セックスレスはもちろん、セックスフルをテーマにした漫画やドラマが増えていけば、性行為に対する正しい認識がもっと広っていくのではないでしょうか」と語気を強めた。