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心を激しく震わせる、奈緒と木梨憲武の新ドラマ。「初詣で記念撮影するシーン」がなぜ秀逸か

木梨と奈緒が、まるで実在する親子のよう

 瞳が雅彦に治療を哀願するシーンは、もし自分が彼女の立場だったらと身につまされる思いだった。“ただ単に切ないシーン”ではなく心が激しく震えた要因として、瞳と雅彦の軽快なやり取りが良い“フリ”になっていたからではないか。
 一馬の2桁しか再生されていないネタ動画を見た雅彦が「どうしてこんなやつと……売れるわけねえだろ」と結婚を思いとどまるように説得するが、瞳は「かず君の笑いに時代が追い付いてないの」と反論。激しい口論を展開したかと思えば、その翌日に2人は着物を着て初詣に出かけている。さらには、瞳の高校の卒業式で看板の前で瞳と雅彦が並んで写真を撮ってもらう時、雅彦が裏側に明るめのプリントが入ったジャケットを見せようとするも瞳がそれをナチュラルに制す回想シーンも差し込まれた。  それらのシーンを見ていると、実在する親子のやり取りを覗き見している感覚になる

木梨は当て書き? と思うほどのハマり役

 奈緒は2023年に放送された『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)でセックスレスに悩む女性を演じ、同じ境遇の女性から多くの共感を得ていた。とにかく奈緒は日常に溶け込むことが上手く「実際にどこかで生活していそう」と思わせる
 そんな奈緒の相手役である木梨も“瞳を育てた父親”という説得力を持たせる演技が光る。特に雅彦は木梨で当て書きしたのかと思えるほどのハマり役。“親子を演じている”ではなく、“親子になっている”2人が織り成すストーリーは楽しみで仕方ない。
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盤石の制作陣に、脇を固めるベテラン俳優たち
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