NHK『大奥』“嫌われ慶喜”の大東駿介「“とにかく嫌な奴に徹してください”とオーダーされて」
原作に感謝をもって大切に向き合い、喜んで頂きたい
――あとで読まれたんですね。
大東:もちろん原作を熟読していくときもあります。ただ原作をそのままやるだけだと、実写でやる必要性を感じなくなる瞬間があって。
『大奥』のスタッフは、もともと信頼している方々でもあるし、よしなが先生や原作への敬意をしっかり感じたので、あくまで自分としてはですが、大切な作品に触れる以上、真似ではなくそれを解釈して向き合うのがクリエイティブかなと。それで原作ファンや、もっと言うと原作者の方を喜ばせたいというのもあります。
――原作者の方を喜ばせたい。
大東:原作者の方が、僕のやる慶喜公をどう面白がってくれるだろうかということもすごく考えました。原作者の先生が命を削って作った作品を、誰かに渡すってすごい覚悟だと思うんです。まず感謝をもって、大切に向き合い、喜んで頂きたいとめっちゃ考えます。手渡された分、自分の最大限で見せたいということは、常に思っています。
今回の高良健吾も、僕の観たかった高良健吾
――ありがとうございます。最後に『罪と悪』は齊藤勇起監督のオリジナル脚本による作品ですが、公開中の作品に、ひと言お願いします。
大東:最近、こんなに男ばっかりの熱量の高い作品って珍しいなと思います。作り手も、裏方の人も含め、演者も男ばっかり。チラシも燃えてるんですけど、みんな命燃やして作りました。ノワールミステリーと言っていますけれど、別に何も考えることなく、ただ彼らの時間に身を委ねてほしいなと思います。
あと僕の中で高良健吾って間違いないんです。今回の高良健吾も、僕の観たかった高良健吾で、その横に僕と石田くん、後ろには佐藤浩市さん、椎名桔平さん、村上淳さんと、僕の大好きな映画俳優たちがいます。ぜひスクリーンで観てほしいです。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
(C) 2023「罪と悪」製作委員会
『罪と悪』は全国公開中
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi





