NHK『大奥』“嫌われ慶喜”の大東駿介「“とにかく嫌な奴に徹してください”とオーダーされて」
ダブル主演の攻めた話題作『仮想儀礼』(NHK)が、最終回を迎えたばかりの大東駿介さん(37歳)。
いまはキャストに名を連ねる『厨房のありす』(日本テレビ系)が放送中ですが、スクリーンでも高良健吾さん主演、石田卓也さん共演の骨太なノワールドラマ『罪と悪』が公開中です。
大東さんが「僕の中で高良健吾って間違いないんです」と語る高良さんとの「しんどかった」シーンのことや、本作からも感じた大切な人に自分の思いを伝える“言葉の重み”について語りました。
また昨年、15代将軍・徳川慶喜を演じて高い評価を得たドラマ『大奥』(NHK)への思いも聞きました。
――映画『罪と悪』は、13歳のころに同級生を何者かに殺された同級生の春(高良)、晃(大東)、朔(石田)の幼なじみ3人が、ある殺人事件をきっかけに20年ぶりに再会し、過去に向き合う骨太なドラマです。
初監督を務めた齊藤勇起監督とは、齊藤監督が助監督を担当した『草の響き』(2021)のときからのお付き合いで、初監督作品には「ぜひ呼んでください!」とお伝えしていたとか。その約束が叶いましたが、晃を託されていかがでしたか?
大東駿介さん(以下、大東):小さな役だと思っていたので驚きましたが、託されたときには晃の気持ちになっていました。春のことをどう思っているのか、演じる高良くんに対してどう入れるのかが、特にラストシーンに向かうにつれてキーになってくると思いました。なのでその関係をかなり意識しました。
石田くんの役を含めて3人が共通して苦しい過去を持っていて、その過去にそれぞれの向き合い方をしてきていると思うんです。警察になった晃の場合は、それが彼なりの責任感と思いだと感じましたし、愚直に、春と向き合おうと思いました。
――春との関係がキーだとのお話がありましたが、まさに春と晃の橋の上でのシーンが印象に残りました。
大東:あの撮影はしんどかったです。物語のラストシーンは別にありますが、あの場面は、彼らの20年間のひとつの区切りの場所でもあった。あそこはかなり悩んだし、話し合いましたね。自分のことも思い返しましたし。
学生時代を含め、大切だった人に真正面から、ずっと抱えてきた自分の思いを伝えるって、なかなか難しいことですから。かなり緊張したシーンでした。
――ご自身と照らし合わせて考えたんですね。ご自身が、20年前のことに向き合って思いを伝えるならと。
大東:想像すると、相当なことだろうなと思います。時間が経つと住む場所も変わるし、人も離れ離れになってしまう。でも学生時代を共に生きた友達というのは、人生の基盤になっていますから。大人になって、いろんなことを経験したうえで、もう一度過去と、大切な人と向き合える時間ってなかなかないことだと思います。

警察になった「晃」役として、高良健吾くんの役と愚直に向き合おう

学生時代を共に生きた友達は人生の基盤

