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ワキ汗治療の最前線!根本的に悩みを解決する“最新機器”について医師に聞いてみた

 暖かい季節が近づくと、気になってくるのがワキ汗……。いつの間にかシャツに汗ジミができていたり、見た目もニオイも気になってしまいますよね。
脇汗

※イメージです

 汗取りパッドや制汗スプレーなどで対処している人は多いと思いますが、どうしても限界があったり、面倒でやらなくなってしまったり……。  そこで今回は渋谷スクランブル皮膚科の下方征院長に、ワキ汗の基礎知識や、根本的な治療を行う唯一の医療機器として最近話題の「切らないワキ汗治療器」について詳しく聞きました。

汗の悩みでもっとも多いのは「ワキ汗」だった!

渋谷スクランブル皮膚科・下方征院長

渋谷スクランブル皮膚科・下方征院長

 国内の調査(※)をふまえると、約249万人もの人がワキ汗に悩んでいると言えるのだそう。どんな人が多いのでしょうか? 「汗をかく量が平均よりも多い方は、男性にも女性にも同じくらいいますが、病院に来る方は圧倒的に女性が多いです。  男性は大量の汗をかいても、それが当たり前だし、むしろ気持ち良いと感じている方も多かったりします。一方で女性は『汗っかきだと恥ずかしい』という意識が強かったり、好きなデザインの洋服が着られないなど、オシャレを楽しめないといった理由で受診されます」(以下、下方先生)

なぜワキ汗は気になってしまうの?

ハンカチで汗を拭く女性 身体の部位でもワキ汗が特に気になってしまう原因について、下方先生はこう話します。 「実は、トータルの汗の量では背中やお腹のほうが面積が広いため、ずっと多いんです。ではなぜワキ汗悩みが多いのかというと、ワキは身体のなかで一番最初に汗を出す場所だから。 体温が上昇を始めると、まず最初にワキ、ほぼ同時におでこ、さらに体温が上がると汗が出る場所が増えていきます。だからちょっとした動きや緊張、ストレスでも汗をかきやすく、困っている方がとても多いのです」  一番最初に汗をかくのがワキだなんて、驚きです! 汗をかくと人前で堂々とふけない場所なのも、厄介なんですよね~。

切らないワキ汗治療って?

ミラドライ施術中のようす

ミラドライ施術中のようす

 渋谷スクランブル皮膚科では、「切らないワキ汗治療器」によって汗の量を減らす治療を受けることができます。いったい、どんな治療なのでしょうか。 「切らないワキ汗治療器は、マイクロ波を汗腺にあてることで熱でダメージを与えて発汗機能を停止させ、汗の量やニオイを減らすことができます。正式名称は『ミラドライ』といい、日本ではワキの多汗症への効果と安全性について厚生労働省による薬事承認を受けている機械です。  治療の流れとしては、まず診察をして治療を受けられないような異常がないかを確認します。問題がなければ、ワキのどの範囲にあてるのかを決め、治療を始めます。当院では丁寧にあてていくため、片方のワキで1時間程度かかります。両方合わせても2時間程なので日帰りで気楽に受けられます。脱毛のように何回も施術する必要はなく、1回の治療で完結します。  また、現時点では保険適用はされず、自由診療となります」  これまでのワキ汗治療との大きな違いは、「切らない」治療が可能であること、そして1回の治療で完結することだといいます。 「例えば、ワキを切開して汗腺を取り除く手術は入院が必要な場合もあり、術後は縫合した箇所にガーゼを当てて抑えながら過ごすため抜糸まで1週間程は仕事を休まなくてはならず、ハードルが高い部分がありました。 また、塗り薬による治療は毎日塗り続ける必要があり、注射による治療法は半年に1回は打たないと効果が得られません。その点、『切らないワキ汗治療器』は1回の治療で効果を得られるので、『ワキをケアするストレスから逃れたい』と悩む患者さんに選ばれています」 ミラドライ治療紹介ページはこちら>>>

ワキ汗を止めても健康に影響はない

 実際に、どの程度の症状の人が病院にくることが多いのでしょうか。 「多汗症は一般的な汗の量に比べて5倍から10倍くらいの汗をかくといわれますが、我々は汗の量を測定して多汗症を判定しているわけではありません。ご本人が社会生活を送るうえでどのくらい困っているかがポイントになります。健康的な量の汗だとしても、とても悩んでいるのであれば治療を受けることはできますよ」  でも、ワキ汗を減らす治療を受けても健康に支障はないのでしょうか? 「ワキの汗を止めても健康に影響はありません。もし全身の汗を止めてしまったら大変なことですが、ワキは全身の体表面積の1%に過ぎないのでまったく問題ないですよ!」

照射中の痛みはナシ!翌日から日常生活を送れる

切らないワキ汗治療器「ミラドライ」

切らないワキ汗治療器「ミラドライ」

 気になるのが、治療中の痛み。「切らないワキ汗治療器」の痛みやダウンタイムはどれくらいあるのでしょうか? 「治療を始める前の麻酔は注射なのでチクッとはしますが、マイクロ波をあてている間は麻酔が効いているので痛みはありません。治療中寝てしまう方もいるくらいです。 麻酔が切れた後、少し鈍い痛みがある場合は痛み止めの薬をお出ししています。治療の翌日はワキがぼよんと腫れますが、アイスバッグなどをワキに挟んで冷やすと痛みが和らぎます。 治療後のダウンタイムは1週間程で、温泉で見られても分からないくらい綺麗な状態になります。そのあとはワキに少しゴリゴリするような感覚がある方もいますが、2ヶ月程でそれもなくなり、違和感のない状態になります」  仕事や学校には治療の翌日から行ってもOKなのだそう。 「治療後1週間は激しい運動は避けてもらう必要があります。でも、シャワーは当日からOK、お風呂は翌日から入れます」 ミラドライ治療紹介ページはこちら>>>

治療を受けるベストタイミングとは

ランドセルを背負った小学生 渋谷スクランブル皮膚科では、10歳から切らないワキ汗治療器によるワキ汗治療を受けられます。 「もっと小さい年齢から治療を受けても問題は無いのですが、麻酔の注射をしなければならないことや、医師の説明を理解できることを考慮して10歳からとさせてもらっています。 お子さんの場合は、ご両親が心配されて治療をされるケースが多いです。高校や大学に進学するタイミングで治療を受けられることが多いですね」  治療を受けるのに、最適な時期はあるのでしょうか。 「患者さんが多いのは、4月から6月の夏が本格的に始まる前のタイミングです。しかし医療側としては、ベストな時期というのは特にありません。ご本人が『やってみたいな』と思ったときでいいのではないでしょうか」

治療を受けた患者さんからは喜びの声も

 実際に切らないワキ汗治療器による治療を受けた患者さんからは、「ずっと悩んでいたワキ汗の悩みから解放されました」という喜びの声が挙がっているといいます。 「『ワキ汗の悩みがないと、毎日こんなにラクなんですね』という声が多いです。お子さんが治療を受けたケースでは、ご家族から『汗の量が減ったし、ニオイも減りました』といった声を聞いています」  下方先生は「ワキ汗が心配で社交的になれなくて困っている方に切らないワキ汗治療器をおすすめしたい」といいます。 「汗は誰でもかくので、友達に相談しても『汗なんて私もかくよ!』と軽く済まされてしまいます。でも、汗の悩みは人とのコミュニケーションを消極的にしてしまったりと、QOL(生活の質)を本当に下げてしまうんです。  少しでも『汗が多くて困る、これが治ったらいいのにな』と思っている方は、一度皮膚科に相談してみてください。いろいろな治療法がありますし、そのなかに切らないワキ汗治療器という選択肢があることも知ってもらったうえで自分に合う治療を選ぶことが大切だと思います」 ミラドライ治療紹介ページはこちら>>>

皮膚科専門医が汗の悩みに答える動画を公開!

 汗の悩みについてもっと知りたい、専門家の意見を聞いてみたいという方に向けて、2024年3月27日にYouTube動画『【2024年最新】よくある汗の悩みQ&A外用薬から切らない手術「ミラドライ」まで皮膚科専門医が解説』が公開されました。  動画では、渋谷スクランブル皮膚科の皮膚科専門医・小林智子先生のインスタグラムに寄せられた汗に関する質問に、院長の下方先生が分かりやすく回答してくれます。ぜひチェックしてみてくださいね。 【下方 征】 渋谷スクランブル皮膚科院長。皮膚科専門医。2004年名古屋市立大学医学部卒業、2006年東京医科大学病院皮膚科入局。2008年東京医科大学病院皮膚科助教に就任。2014年八王子医療センター皮膚科。2014年-2018年東京医科大学病院皮膚科兼任助教に就任。2021年に渋谷スクランブル皮膚科を開院。 【ミラドライ治療について】 ・本治療は自費診療です。 ・施術の副作用(リスク):内出血・腫脹・拘縮・脱毛効果・肘上~肘下、肩回りの浮腫・感覚の変化・代償性発汗を生じる可能性があります。 ・渋谷スクランブル皮膚科における治療費用:290,000~380,000円 ※文献:Fujimoto T, Kawahara K, Yokozeki H: Epidemiological study and considerations of primary focal hyperhidrosis in Japan: from questionnaire analysis, J Dermatol, 2013;40: 886―890. <取材・文/都田ミツコ 提供/渋谷スクランブル皮膚科>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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