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有名人の不倫を許せない人は「気持ち悪い」。ネットニュースを鵜呑みにする愚かさ|ドラマ『不適切にもほどがある!』

SNSユーザーの再現度が高い

“ネットリンチ”を題材にした作品は、小説・映画『白ゆき姫殺人事件』、ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)など多くある。しかし、“栗田夫婦の結婚記念日”ほどネットに批判的な声を上げる人たちの醜さを、丁寧かつコミカルに実写化したシーンは恐らく稀である。  自身の正義感・支配欲を満たしたり、日常生活の憂さ晴らしをしたりなど、使い勝手の良いコンテンツとして不倫バッシングを消費しているポッキーとタイコの姿は、まさに不倫報道に群がるSNSユーザーそのもの。恒例行事にして何度も過去の騒動を持ち出し、罪悪感を与えようとするところも再現度が高い。  また、ネットニュースのコメント欄が世論のような扱いになってしまい、様々な制約を作り出している現状にも気づかされる内容だった。現実でも、作中の「【不倫アナ】倉持猛が『朝ッパラTIME』に登場 不倫騒動後、3年ぶりのテレビ出演」と“同じパッケージ”のネットニュースは多く掲載されている。ただ、そういったネットニュースに対して、タイトルだけで判断したり、「批判殺到」といった扇動的な言葉を簡単に信用したりなどしないように気をつけたいとも思った。  残り話数は少ないが、それでも不適切な令和の現状を切っていく内容に期待したい。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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